TSMCは、2022年後半に3nmプロセスを、そして2nmについては2025年に大量生産を始めるとのことだが、これら2世代の先端プロセスでの製産は、IntelとAppleに優先的に供給されるようだ。
- TSMCの最新の3nmプロセスノードでの製産はIntelとAppleに優先的に割り当てられるとの報道
- IntelとAppleはTSMCの次世代プロセスノードの開発に多額の投資をおこなっているため、「VIP」顧客になっている
- AMDやMediaTekなどの他社は、上記2社への出荷後に最新プロセスノードでの製造が始められるとのこと
IntelとAppleはTSMCに多額の投資を行っており、最新のプロセスノードを優先的に供給されている
報道によると、TSMCの3nmプロセスノードは、次世代プロセスノードの取得に多額の投資を行い、プロセスの「VIP」顧客として位置づけられているIntelとAppleの2社に優先的に供給されるとのことだ。
他の半導体企業が3nmと、その先の2nmの生産能力を手に入れたい場合、AppleとIntelが出荷されるまで待たなければならない。以前の報道によるとAMD、NVIDIA、MediaTekなどの企業もTSMCとの交渉を望んでいるというニュースを伝ているが、これら企業への次世代プロセスノードでの生産割り当ては2023年の終わりまたは2024年まで開始されないようだ。そしてその生産開始は、AppleやIntelよりもはるかに遅くなる。
3nmプロセスノードでの生産については、AMDがTSMCの生産能力の割り当てを取得したい場合、 2023年中は不可能とのことだ。 2024年に交渉が可能になったとしても、実際の生産は年末になり、2025年になる可能性もあるという。2025年には安定した生産能力を得る機会があるようだが、その頃はIntelそしてAppleは2nmの生産に移行している可能性もあるとのことで、遅れは否めない。
現在、AMDがZen 5コアベースのプロセッサにTSMCの3nmプロセスノードを使用するかどうかについては、はっきりとしたことは分からない。Zen 4では、NVIDIAが次のゲーミング製品に利用する予定のTSMCの5nmプロセスノード(TSMC 4N)を利用することが分かっているだけだ。
そうなると、AMDには3つの選択肢が考えられる。1つは、Zen 5コアの生産を2024~2025年まで待つということだ。Zen 3が2020年後半に発売され、2022年後半にZen 4がリリースされることを考えると、2年以上の間隔が空くことになるが、この選択肢が最も可能性が高いと考えられる。
別の選択肢としては、AMDがZen 5のプロセスノードをN5Pプロセスから活用するというものだ。N5ノードはNVIDIAが活用している4Nノードに比べ、はるかに最適化され、より優れたバージョンになっている。しかし、Zen 5がアーキテクチャの大改革になることを考えると、N3のように最新のプロセスノードを採用しないのは理にかなっていない。
そして最も可能性の低いシナリオは、AMDがTSMCと交渉して早期の供給を獲得することだが、すでに2つの大手企業がN3ウェハを巡って争っていることを考えると、AMDは供給が制限されてしまい、2024年の出荷量が予想を下回ることになるだろう。
一番最初の選択肢は、AMDがV-Cache搭載のZen 4を中間的に発売し、Zen 5を発売するまでの1年間、Intelが供給する最新のゲーミングCPUに対して非常に競争力を持つことができるので、より可能性が高いと考えられる。
まとめると、2022年は標準のZen 4になり、2023年はV-Cache搭載Zen 4、その後2024年の終わりにZen 5が発売されるのが一番可能性の高そうなシナリオだろう。ただ、今のところ、これはすべて噂であり、確定的な事実ではない為、今後の動向によってまた新たな事実が明らかになっていくはずだ。
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