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トヨタ、全固体電池はリチウムイオン電池より容易で安価になる事を目指し、資源リスクの軽減も目指す

トヨタ自動車は自動車メーカーの中で時折首位の座を争ってきたが、現在の売上高はVolkswagenに次ぐ第2位だ。トヨタの電気自動車への野望に関する最新の報道が正当なものであれば、トヨタは間もなくナンバーワンに返り咲くかもしれない。同社は先日、全固体電池技術におけるブレークスルーを達成したことを発表し、自動車が何百kmもの航続距離と、格段に早い急速充電が可能になると発表した。

ほとんどの自動車メーカーはEVの製造に多大な資源を投入しているが、トヨタはそれを控えているように見られて来た。2000年代前半から半ばにかけてプリウスで大成功を収めたトヨタは、bZ4Xのような少量生産品を除けば、ハイブリッド車にこだわり続けてきた。FordやVolkswagenに対抗するために電気自動車を作らない理由を説明するトーキングポイントをディーラーに配布したほどだ。同社は、数台のフル電気自動車を製造するよりも、バッテリー材料を使用して多数のハイブリッド車を製造する方が効率的だと主張していた。

だが、新しいバッテリー技術が実現可能になれば話は別だ。むしろ同社はそれを待っていた節もある。トヨタは、製造工程の改善により、数年前から有望視されていた新しい全固体電池を開発に成功し、2027年~2028年の量産を目指している。そしてThe Guardinaが報じているように、全固体電池の製造プロセスを簡素化する事に成功しており、リチウムイオン電池よりも容易で・安価に製造できるようになるとのことだ。この新しいバッテリーは、現在のすべてのEVに使用されている液体ベースのリチウムイオンセルに対して無数の利点を提供する。例えば、理論的には航続距離1200kmを実現する可能性すらあると言う。これは、現行のほとんどのEVの2倍以上である。

バーミンガム大学のDavid Bailey教授(ビジネス経済学)は、トヨタの主張が根拠あるものであれば、電気自動車の将来にとって画期的な瞬間になるだろうと述べた。

「プロトタイプの段階でブレークスルーが起こることはよくあるが、それをスケールアップするのは難しい。もしこれが本物のブレークスルーであれば、ゲームチェンジャーとなりうる」。

EVの頻繁に充電する必要があるという事実は、主な欠点のひとつである。日産リーフのような低価格のEVは、1回の充電で300kmをクリアするのがやっとで、Tesla Model 3などのプレミアムEVにステップアップしても、それ以上は望めない。長らく延期されていたTesla Cybertruckでさえ、最上位モデルの航続距離は800kmとしか謳っていない。つまり、再充電なしで1200km以上走ることができる車は、大きな意味を持つことになる。

また、全固体電池は充電速度の問題も解消する。現在のリチウムイオン電池搭載EVでは、どんなに早くても数時間単位の充電時間がかかるが、全固体電池であればこれが分単位まで圧縮できるのだ。

加えてトヨタは、先日の中国によるレアアースの輸出規制を受けてのことと思われるが、全固体電池について、主要材料の調達リスクを軽減し、国内の素材メーカーを中心とするサプライチェーン(供給網)を構築する方針を明らかにした。現在のEV用バッテリーの素材は、ニッケルやコバルト、リチウムなどのレアアースは中国への依存度が大きく、経済安全保障上の調達リスクがある。全固体電池ではこれらの課題をできるだけ解消し安定調達を目指すとのことだ。

更に、トヨタは航続距離1500kmの実現が可能な全固体電池の開発にも取り組んでいるという。

大々的なEVの進歩が実現しないという話はよく聞くが、これまで慎重であったトヨタでさえEVの販売に乗り気になっているのなら、これは一つの転換期を迎えているのかもしれない。


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