日本のカメラメーカー「キヤノン」は、AppleルのVision Proの出現が、没入型映像コンテンツの新たな市場を掘り起こすチャンスと考えているようだが、同社の幹部が語った所では、Appleのヘッドセットが必要とする解像度とリフレッシュレートに対応できるカメラはまだないようだ。
先週横浜で開催されたCP+カメラショーでカメラ情報サイトPetaPixelの取材に応じたキヤノンの関係者は、VRコンテンツ制作用に特別に設計された5.2mm F2.8 Lレンズという、光学面での問題はないことを明かした。課題は、Vision Proの高解像度スクリーンと一致するのに必要なリフレッシュスピードを持つカメラがまだないことだ。
AppleがApple Vision Pro用にすでに提供している没入型環境の中には、動く要素もあるが、これはコンピューターが生成した高解像度の静止画像と、カメラメーカーREDの8Kビデオシステムのミックスで構成されていると思われる。
他の企業は、コンピューターグラフィックスに頼ることなく、Vision Proの解像度とリフレッシュレートで実世界の環境を捉えた画像を作成できるカメラシステムを作りたいと考えている。彼らは、そのような環境を素早く作成できるツールに対する市場の需要を予測している。
キヤノンは、そのためには「1億画素の解像度で毎秒60フレーム」のカメラが必要だと考えている。だがそのような高解像度と組み合わせて到達するのは、現在のところ難しいレベルのリフレッシュレートだ。これは現在の4K規格の3.5倍の14K映像に相当する。
「現時点では、キヤノンはそのレベルの要求に応えることはできません」とキヤノン塩見泰彦氏は言う。しかし、「技術的には、理論的には可能だ」とも指摘した。問題は、商業的に実行可能で、顧客が購入できるような価格の製品を開発できるかどうかだ。
キヤノンはすでに100メガピクセルの解像度を持つセンサーを持っているが、現時点では必要な60フレーム/秒には達していない。
塩見氏は、「我々は、VRのための高解像度を提供できるよう、技術を磨いています。解像度とスピードの両方をバランスよく向上させることができるよう、今後も技術改良を続けていきます」と、述べている。
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