Teslaは、沖縄県宮古島において、同社の家庭用蓄電池Powerwallによるバーチャルパワープラント(VPP)事業を2021年より開始していたが、この度、島内への設置数が300台を超えたことを発表した。日本におけるVPP事業へのPowerwallの商業利用は本事業が初めてであり、家庭用蓄電池を用いた商業用のVPPの規模としては日本最大級となるとのことだ。
この事業は、株式会社宮古島未来エネルギーが提供する初期設置費用ゼロ円で太陽光発電システムと蓄電池を設置できる「太陽光パネル+蓄電池設置サービス」によるものだ。PowerwallのアグリゲーションはTeslaのソフトウェアを利用し、最適な充放電を一括でコントロールしている。
バーチャル発電所は、個人宅のソーラーパネルとバッテリーを活用するものだ。バーチャル発電所を設置した人は、自分の住んでいる地域の電力網に余分な電力を送り返し、停電の危険があるときに電力網を強化することができる。送電網は、電力供給が逼迫したときに通常使用される火力発電所などからの電力を供給する代わりに、そのバーチャル発電所からの電力を使用することができるという仕組みだ。
ちなみに、Teslaはすでにアメリカ・カリフォルニア州とオーストラリアでバーチャル発電所を稼働させており、アメリカ・テキサス州でも稼働させるべく取り組んでいる。テキサス州では、長年信頼性の低い送電網に新たな電力源を追加するチャンスだと考えている。ちなみに、海外ではPowerWallを自宅に設置している人は、緊急時や電力需要が高いときに電力供給網に負荷がかかると、1キロワット時ごとに2ドルを受け取ることができるという。
宮古島に住む人々は、台風の際に定期的に停電を経験しているが、Powerwallは停電時の備えとしても役に立っている。「台風のとき、明かりは使えるし、冷蔵庫もいつも通り使える」と、テスラが公開したビデオでPowerwallの顧客が語っている。
Teslaは、年内に400台、2023年末までに600台のPowerwallを設置する予定だという。同社はその後、日本本土と台湾の間に広がる島々をカバーする沖縄県の残りの地域にも拡大する予定だ。
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