TeslaのCybertruckは2023年にようやく発売されるが、同社は一足先に、そのCybertruckにインスパイアされた「ワイヤレス充電スタンド」を発売した。価格が300ドルにもなるこの「Wireless Charging Platform」は、正確な位置合わせをする必要がなく、充電台のどこにおいてもワイヤレス充電が可能で、3台のデバイスが同時に充電できるとのことだ。そしてそれは、Appleが目指しつつも、ついに実現できなかった「AirPower」の夢でもある。
Appleが、2017年に開発を表明したワイヤレス充電器「AirPower」は、平たい大判のマットのような充電器で、大量のコイルを埋め込み、充電したいデバイスをマットの上のどこに置いてもワイヤレス充電出来る利便性の高さから、「夢の充電器」と期待されたが、開発は難航し、その後2019年には開発が中止されていた。
今回、Teslaが発売した「Wireless Charging Platform」は、このAppleがAirPowerで実現したかった「充電台のどこに置いても充電出来る」機能である「FreePower」テクノロジーを搭載しており、正確な位置合わせをすることなく、ワイヤレス充電が出来ると言う。これは、以下のように大量のコイルを搭載する事で実現しているようだ。
AirPowerの開発が中止された背景には、“過熱”の問題があったという。これが容易に発生してしまい、解決策が見出せないことから、Appleは同社の「高い製品基準を満たしていない」として、開発が中止されたのだ。
今回のTeslaの製品がAppleが解決できなかった問題をどのように解決したのかが興味深い。
また、同社はこの製品のデザインもCybertruckにインスパイアされた特別な物である事を主張している。
Cybertruckの角ばったデザインとメタリックなスタイルからインスピレーションを受けた当社のワイヤレス充電台は、1台あたり15Wの高速充電が可能で、最大3台までのデバイスを同時に充電することができます。その洗練されたデザインは、アルミニウムの筐体、高級アルカンターラの表面、および充電器を平らに、または見やすい角度に置くことができる着脱式マグネットスタンドで構成されています。FreePower®テクノロジーを搭載し、正確な位置合わせをせずに表面のどこにでも置かれた携帯電話やイヤホンなどのQi対応デバイスを充電できます。
価格は300ドルと言う事で、日本で発売された場合は4万円を越える物になる可能性もあり、充電器というカテゴリーで考えると非常に高価な物ではある。
最近同社は、先日のSSDに続き、高価なオプション品の販売を開始しているが、どこか会社の懐事情が苦しいのかなと勘ぐらずにはいられない。
ただし、その高級感のある見た目は確かに魅力的だし、同社が主張するようにFreePowerテクノロジーが本物である場合は、これは唯一無二の製品である事は疑いようもない。そこに魅力を感じるのならば、買いだろう。
注意点があるとすれば、iPhoneに関しては最大で7.5Wでの充電にしかならない点。また、Apple Watchの充電は出来ないと言う点だろう。そして、日本ではまだ発売されていない。
もし、iPhoneとApple Watchを高速充電したいのならば、現状ではBelkinの製品やAnkerの製品くらいしか選択肢はなさそうだ。
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