NVIDIAのコンシューマー向けGPUとゲーミングGPUについて、世界的な供給量の大幅な減少が報告されている。要因は不明だが、どうやら同社の現在の稼ぎ頭である「AIアクセラレーター」の供給に生産能力を傾けているからではないかと噂されている。
NVIDIAとそのGPUが市場で「入手困難」になっているという報告は、ここしばらくの間続いている。NVIDIA GPUの世界的な供給は2022年から2023年の期間には安定していたが、業界筋によると、現在は世界的な供給量が大幅に減少しているため、今後状況が変わる可能性があるとのことだ。
MyDriversは、台湾の業界筋の情報を引用して、NVIDIAのコンシューマー向けGPUが、2023年第4四半期に市場での供給が減少し始めていると報じている。このレポートでは、市場で不足しているSKUの種類は特定されていないが、完全なRTX 40シリーズがここ最近在庫削減を経験しており、その影響は中国市場で特に顕著になっているとのことだ。
そして、状況は世界的な物になりつつあると言う。既に米国や欧州などの市場では、NVIDIAのGPU在庫の減少が報告されていると推測されており、この状況が続けば、価格の引き上げが見られるかもしれない。日本でも、在庫切れの店がチラホラ見られるようになってきており、在庫があっても残少という表記も見られる。
供給問題の背後にある正確な理由は不明だが、NVIDIAがデータセンター部門向けに設計されたAIアクセラレーターの生産にリソースを傾けており、(あまり旨味のない)コンシューマー向けGPUの生産を削減した可能性があると報じられているが、これは今のところ噂に過ぎない。
NVIDIAは、市場に可能性があるところを攻めていく過去があったため、こうした噂も流れるのだろう。だが、それは利益を求める企業姿勢としては実際に正しい行いだ。
コンピューティング用に設計されたAI GPUは、ゲーム用GPUよりもはるかに収益性が高いため、NVIDIAが供給を優先させるのは市場原理に従えば当然だろう。だが、せっかくPC市場が盛り返しているこの時期、水を差すような事にだけはならないで欲しいものだ。
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