SpaceX社は、1月2日(現地時間)、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙空軍基地からFalcon 9ロケットで21基のStarlink衛星を打ち上げた。うち6基の衛星にはDTC(Direct-to-Cell)機能が搭載されており、携帯電話は地上のインフラなしでStarlink衛星に直接接続できるようになる。
Direct-to-Cell衛星
DTC機能により、ユーザーは遠隔地や災害地域であっても、どこでも音声、テキスト、データサービスにアクセスできるようになる。
これに先立ち、SpaceX社は米国連邦通信委員会(FCC)から、Starlink向けモバイル・サービスのパイロット・プロジェクトを実施する許可を得た。このプロジェクトでは、T-Mobileの周波数帯を使用し、Starlink衛星を介して地上の未改造の携帯電話にデータを送信することで、衛星を使用して全米のスマートフォンにインターネットアクセスを提供するテストが行われる。
FCCはSpaceX社に180日間、つまり6月14日までの “実験的特別臨時認可”を与えた。この認可は、SpaceX社がStarlinkモバイル・サービスの展開について部分的な承認を受けた1週間後のことである。しかし、最初の認可では、SpaceX社は衛星アンテナの機能確認以外のテストを行うことを制限されていた。
SpaceX社は当初、このミッションを12月中旬に打ち上げる予定だったが、技術的な問題に直面し、打ち上げが遅れた。
同社の創業者でありCEOのElon Musk氏は、DTC機能は携帯電話の不感地帯の問題を解消する「大規模なゲームチェンジャー」であるとXで述べた。彼はまた、DTC機能はビームあたり毎秒約7メガビットにしか対応しておらず、ビームは非常に大きいため、既存の地上波ネットワークと競合するものではないことを明らかにした。
SpaceX社は声明の中で、DTC機能は「世界中のモバイルネットワーク事業者が、陸地、湖、沿岸水域で、テキスト、通話、ブラウジングへのシームレスなグローバルアクセスを提供することを可能にする」と述べた。
Musk氏とT-MobileのMike Sievert CEO兼社長は、2022年8月に両社の提携を発表した。Sievert氏は、米国で開始されるサービスは、既存のT-MobileのミッドバンドPCS周波数帯を使用すると述べた。
「これにより、Starlinkが運用するコンステレーションにその周波数帯を充てることができます。空がよく見えさえすれば、あなたが接続可能になるというのが私たちのビジョンです」。
地上ネットワークと同じ業界標準の技術とプロトコルを使用するため、電話機は宇宙に接続していることに気づかないだろう、と彼は付け加えた。
StarlinkのDTCには現在、日本のKDDIを含む世界の8社が参加している。日本でも、KDDIのau通信網によってauのスマートフォンがStarlinkと直接接続することができる衛星との直接通信サービスが2024年内に開始される予定だ。
SpaceX社は、2024年後半までに商業サービス用の衛星のクリティカルマスを達成するため、今後6ヶ月間でさらに約840基のDTC対応衛星を打ち上げる計画だ。SpaceXの衛星政策担当ディレクター、Jameson Dempsey氏が2023年11月30日にFCCの衛星ライセンス担当課長代理、Kathyrn Medley氏に送った電子メールによると、同社はdirect-to-cell modificationの申請で、7500基すべての衛星の打ち上げライセンスを付与するよう連邦通信委員会(FCC)に要請している。
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