Space Perspectiveは、 世界初の有人宇宙飛行用海洋宇宙港となる、「MS Voyager」を発表した。この宇宙港によって、世界中の海洋施設から宇宙船を打ち上げたり、受け入れたりする事が可能になるという。
2024年までに成層圏への飛行を開始することを目指しているSpace Perspective社は、造船会社のEdison Chouest Offshore社から非公開の価格で購入した船舶(全長89メートル)を、Space Perspectiveの宇宙船Neptuneカプセルを打ち上げたり回収したりするためにカスタマイズする予定とのことだ。
海洋宇宙港に付けられた「MS Voyager」という名前は、1990年に海王星の軌道の向こう側から地球の象徴的な「縹色の点」の写真を撮影したNASAのボイジャー1号にちなんで名づけられた。
Space Perspectiveは、「海洋宇宙港は、2つの方法で理想的な打ち上げ条件を作り出します。それは、天候の良い地域に航行することで、その地域内で年間を通して運用できること、そして海風に沿って移動することで、デッキを渡る風がほとんどないことです」と、船隊の立ち上げを決定したことについて述べている。
同社は、打ち上げの機会が増えること、夜間または昼間の打ち上げの選択肢が増えること、フロリダ沿岸に確保した陸上の打ち上げ場所に飛行機で行けない乗客のために目的地を柔軟に変更できることなど、他の利点も挙げている。
宇宙船ネプチューンのカプセルの底部には、着水をサポートするスプラッシュコーンが設置される予定だ。海からの回収時には、小型ボートでカプセルを安定させ、AフレームでMS Voyagerに吊り上げる。
「私たちは常に、オーロラ、イタリアのブーツ、ナイルデルタの壮大なスケール、バハマの紺碧の海など、最も素晴らしい自然現象を宇宙から眺める機会を提供することを想像しています。MS Voyagerのような海洋宇宙港は、これを現実のものにしてくれます」と、Space Perspectiveの創業者であり共同CEOであるJane Poynter(ジェーン・ポインター)氏は述べている。
宇宙旅行は産業として初期段階にあり、Blue OriginやVirgin Galacticなどの最初のプロバイダーは、いくつかの問題にぶつかっている。この2社は、Space Perspectiveとは異なり、NASA、米国連邦航空局、米軍が宇宙空間として分類している高度80km以上まで乗客を運ぶ。
MS Voyagerは、2023年初頭に予定されているSpace Perspectiveの試験飛行に合わせて、新年から運用を開始する予定とのことだ。Space Perspectiveは、現在までに1,000枚以上のチケットを販売している。チケットは、SpacePerspective.comにて、現在125,000ドル(1,754万円)で予約可能とのことだ。
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