近年、ゲーム業界では、Activision BlizzardやUbisoftといった大手スタジオで職場の不正やハラスメントが報告され、大きな話題になったが、その手の話題とは無縁に思えた「任天堂」もご多分に漏れず、最近のKotakuの報道では、Nintendo of AmericaのQ&Aテスターによるセクハラ疑惑が発覚している。
この不祥事は、任天堂がテストに使用している請負業者Aston Carter(旧Aerotek)で起こったようだ。同社で働く女性からは、Slackチャンネルでの不適切な発言や、上司からのハラスメントなどが報告されている。また、任天堂の正社員である「レッドバッジ」と契約社員の間には大きな隔たりがあり、契約社員は正社員への昇格を何度も約束されたにもかかわらず、実際に昇格したことがほとんどないとのことで、大きな不満になっているとのことだ。
Kotakuの報告によると、この格差は時として見苦しいほどであり、一部のレッドバッジ社員はAston Carterを「デートプール」として利用しており、契約社員は正社員限定の任天堂クリスマスパーティーやその他のイベントに招待されるために、甘んじて格差を受け入れ、正社員と付き合うこともあったようだ。
任天堂はこの件に関して公式には何もコメントしていないが、NOA社長のDoug Bowser氏は従業員に手紙を送り、Kotakuはそれを入手することに成功した。その中で、Bowser氏は任天堂が従業員の不正行為について「積極的に調査している」と主張している。
「私たちは、従業員や同僚を不適切な行為から守るための厳格な方針を定めており、私たちのために、あるいは私たちと一緒に働くすべての人が、これらの方針を完全に遵守することを期待しています。我々は常に、我々が認識したすべての疑惑を調査しており、これらの最新の請求を積極的に調査しています。[…] もしあなたが、当社の行動基準、従業員ハンドブック、あるいは当社の価値観に反するような行為に関することを経験したり、経験したことがあったり、目撃したりした場合には、直ちに担当のHRビジネスパートナーに連絡してください。」
この種の問題は、ゲーム業界におけるシステム的な問題であり、大企業はほとんど免れないことが分かってきた。任天堂がこの問題に取り組んでいるのは良いことだが、そもそものシステムがこうした不祥事を巻き起こす要因になっている可能性があり、ここを是正しないことには改善は見られないかも知れない。
コメントを残す