調査会社Gartnerは最新の予測で、2023年度の半導体売上が大きく落ち込む事を報告している。同社によると、2022年に合計5,996億ドルだった半導体売上は、今年は11.2%減の5,320億ドルになるとのことだ。だが2024年には再び状況が好転する可能性があり、18.5%の成長で6309億ドルになると、Gartnerは予測している。
2022年には、わずか0.2%の成長率を記録し、消費者の需要がすでに低いことが明らかになった。今年は、経済の見通しの悪さから、企業も電子機器の購入に興味を失っている。こうした問題に加えて、チップの在庫が供給過多になっており、価格を押し下げている。いずれは在庫が底をつき、さらなる買い増しが必要になるだろう。
当然のことながら、パンデミック時の在宅勤務の後、PC、タブレット、スマートフォンの半導体市場は停滞している。これらは2023年の半導体収益の31%を占めるが、幸運なことに、需要がより高い分野が他にもある。自動車と産業、軍事/民間航空宇宙半導体市場では、今年13.8%の成長で769億ドルになると予想されている。
将来的には、半導体の需要をもう少し安定させることができる小さなエンドマーケットが登場するとガートナーは考えています。こうした将来のエンドマーケットには、自動車、産業、IoT、軍事/航空宇宙が含まれます。より多様な市場について、GartnerのプラクティスバイスプレジデントであるRichard Gordon氏は次のようにコメントしている:
“最終市場の需要は、消費者の裁量的支出に左右されることは少なくなり、企業の設備投資に左右されるようになる。サプライチェーンは、より多くの仲介業者が関与し、市場までの経路が多様化することでより複雑になり、異なるエンドマーケットの要求を満たすために、異なるタイプのキャパシティが必要となる。”
半導体の需要に大きな打撃を与えているのがメモリ業界である。この市場では、今年の売上が35.5%減少すると予想されている。この市場の問題は、消費者の需要が弱まる中で、在庫が満杯になっていることだ。供給過剰は価格の下落を意味し、販売につながるが、時間がかかる。来年はメモリの収益が70%伸びるだろうとGartnerは述べている。
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