Q&AサイトのQuoraは、同社が提供する、ChatGPTやClaudeのようなAIチャットボットにアクセス出来るサービス「Poe」に、独自のプロンプトを組み合わせてユーザーが独自のチャットボットを作成できる新たな機能を追加した。
2月に初めて一般に公開されたPoeは、Web検索者に最もGoogleで検索される質問に答えを提供してきたQuoraの最新製品である。チャットボットが今後Web検索やQ&Aの未来を担う可能性があるため、同社は、消費者がシンプルなモバイルインターフェースを介してOpenAIやAnthropicの最新のAI技術を使いこなすことができる市場に進出することを選択した。
初めに、PoeはOpenAIテクノロジーによって強化されたSageやDragonfly、Anthropicによって強化されたClaudeなど、いくつかの一般的なAIチャットボットをサポートしてデビューした。先月、Poeは新しい言語モデルをベースにしたより強力なボットへのアクセスを有料で提供するサブスクリプションをリリースした。これには、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude+が含まれる。同社によれば、PoeはClaudeまたはClaude+のどちらにもアクセスできる唯一の消費者向けインターネット製品でもある。
今回の新機能により、ユーザーはプロンプトを使用して自分自身のボットを作成できるようになる。つまり、チャットボットを高度に特定のタスクを実行するように指示する方法が提供されるのだ。現在、人々は、お気に入りの作家のスタイルでテキストを出力する、特定のフォーマットで出力する、特定の観客を対象とするなどの理由で、プロンプトを使用してボットを指示している。基本的に、より良いプロンプトがより良い出力を生み出すという考え方である。これにより、プロンプトエンジニアリングの分野内に新しいクリエイタークラスが誕生している。また、オンラインコミュニティも生まれて、人々がお互いにプロンプトのアイデアを共有できるようになっている。
QuoraのCEOであるAdam D’Angelo氏は、最近のTwitterのスレッドで説明しているように、Poeの新機能により、ユーザーはClaudeまたはChatGPTをベースに自分自身のボットを作成できるようになる。作成後、ボットには独自のURL(poe.com/botname)が与えられ、それによりPoeで直接ボットを開くことができるのだ。D’Angeloは、同社が新機能をデモンストレーションするために作成したいくつかの楽しいボット、例えば、poe.com/PirateBotの「海賊のように話すボット」、日本語のチューター、メッセージを絵文字に変換するボットのほか、あなたを軽くいじめるボットなどを共有している。
D’Angelo氏は、「Poeのコミュニティやインターネット全体で、プロンプトを使用した大規模言語モデルの実験がたくさん行われており、プロンプトが言語モデルからどれだけの価値を引き出すことができるかには驚くほどのことがあります。この新機能が、プロンプトの才能がある人々が自分の能力を世界中の人々と共有し、誰でもAIから最大限の価値を引き出すためのシンプルなインターフェースを提供できるようになることを望んでいます」と述べている。
ユーザーは、モバイルWeb上またはデスクトップWebインターフェイスを介してPoeのiOSアプリまたはAndroidアプリからボットにアクセスすることができる。好きなボットを見つけたら、ボットをフォローするボタンをクリックして、後で簡単に戻ってくることができるようにすることができる。その後、ボットは、同社の汎用ボットSageなどと並んで、Poeのサイドバーのボットリストに表示される。同社は、この機能を運用するためにかかるすべてのコスト、LLMの料金も含めて、当面カバーする予定である。
将来的には、ボット作成者にボットの使用方法についてのフィードバックを提供し、改善を繰り返すことができるようにする予定である。また、同社は、運用するサーバーからボットをホストすることができるAPIを開発する予定であり、これによりより複雑なボットが作成できるようになる。このことは、Quoraの新しいビジネスの可能性を秘めている。
すでに、一部のユーザーは、この機能を使用して、旅行計画や数学の学習などの実用的な目的だけでなく、恋愛などの楽しい目的のためにボットを作成したことをTwitterのスレッド内で発表している。ただし、Poeのプラットフォームガイドラインは、ヘイトスピーチ、暴力、違法行為、詐欺、知的財産権の侵害などの問題が発生する可能性がある使用用途に対して制限されているが、これらのルールを回避するボットが現れるかどうかはまだ不明である。
Poeは、モバイルユーザー向けの唯一のアプリではない。OpenAIは公式アプリをリリースしていないが、ChatGPTアクセスを提供するAIチャットボットがApp Storeにあふれ、トップのAIアプリは数百万ドルを稼いでいる。MicrosoftのBingやEdgeアプリも、同社のOpenAIとのパートナーシップによって実現したAI技術を統合している。一方、Perplexityなどの他のAIスタートアップも最近、モバイルアプリをリリースしている。
それにもかかわらず、Poeへの消費者の需要は順調に伸びている。データインテリジェンス企業data.aiによると、Poeのモバイルアプリ版は現在1,170,000件のインストールを誇り、総売上高は520,000ドルに達している。App Storeの「生産性」カテゴリーで現在32位にランクインしている。
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