日本ではあまりまだ話題になることがないが、米国では機械音声による半自動の“ロボコール”が社会問題になって久しい。詐欺に多く使われるこのロボコールだが、2024年の米国大統領選挙に際し、現職大統領であり、次回の大統領選挙にも立候補を表明しているJoe Biden氏の声を使って、ニューハンプシャー州の大統領予備選で、民主党に投票しないように呼びかけるロボコールが報告されており、当局は注意を呼びかけると共に、調査を行っているようだ。
ニューハンプシャー州検事総長は声明の中で、Biden大統領のような声で予備選に投票しないよう呼びかける民主党議員をターゲットにした一連のロボコールを調査していると述べた。
「ロボコールの音声はBiden大統領の声のように聞こえるが、このメッセージは最初の指摘によると人工的に生成されたもののようだ。これらのメッセージは、ニューハンプシャー州大統領予備選挙を妨害し、ニューハンプシャー州の有権者を抑圧しようとする不法な試みと思われる」。
録音された「Biden氏」の声は少し違和感もあるが、中には大統領からのものだと勘違いする人もいるだろう。
この声はこう言っている。「民主党に投票することの価値は、我々の票が重要なときにわかるだろう。11月の選挙に向けて一票を貯めておくことが重要だ。民主党の上下両院議員を当選させるためには、皆さんの協力が必要です。今週の火曜日に投票しても、共和党がDonald Trumpを再び当選させることを可能にするだけです。あなたの一票が違いを生むのは11月であり、今週の火曜日ではありません」。
NBC NewsがTrump氏陣営のスポークスマンに取材した所、このロボコールとは無関係だと述べた(当然のことながら)。
ニューハンプシャー州の民主党予備選は、ニューハンプシャー州の民主党と民主党全国委員会の間で日程の調整が難航し、国内初の予備選挙として公式に認められているサウスカロライナ州よりも前に実施されるため、Biden氏は今回ニューハンプシャー州の予備選挙には参加しておらず、そのため投票用紙には名前がない。しかし、支持者の間では、ニューハンプシャー州の民主党予備選で民主党候補としてBiden氏を支持する書き込みキャンペーンが行われている。書き込みキャンペーンの広報担当者は、このロボコールを 「Joe Bidenを傷つけ、票を抑制し、民主主義にダメージを与えるために作られた深い偽の偽情報」と表現している。
ニューハンプシャー州司法省は、この偽電話は「ニューハンプシャー州民主党大統領予備選のBiden大統領への書込み活動を支援してきた政治委員会の会計責任者から送信されたと偽るために “なりすまし”されたようだ。メッセージの内容は、通話リストからの削除を希望する受信者に、この人物の電話番号に電話するよう指示していた」と、述べている。
司法長官は、1月と11月の両方に投票することを妨げる法律はないと指摘した。「ニューハンプシャー州大統領予備選挙に投票したからといって、11月の総選挙にも投票することができなくなるわけではない」と司法長官は述べた。
Sources
- New Hampshire Department of Justice: Voter Suppression Robocall Complaint to Election Law Unit
- NBC News: Fake Joe Biden robocall tells New Hampshire Democrats not to vote Tuesday
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