エリザベス女王(エリザベス2世)が亡くなったことで、世界最大のクリアカットダイヤモンドの所有権を巡る問題が再び巻き起こっている。
カリナンIとして知られる「偉大なアフリカの星 (The Great Star of Africa)」は、現在エリザベス女王の王笏に取り付けられているが、もともとは南アフリカで産出されたものである。530カラットのこのダイヤモンドは、所有者のサー・トーマス・カリナンの私有鉱山で発見されてから2年後の1907年にエドワード7世に贈られた。CNNが報じたように、多くの南アフリカ人は、英国がこの宝石を所有しているのは違法であるとし、英国王室に返還を要求している。
活動家のThanduxolo Sabelo氏は地元メディアに「カリナン・ダイヤモンドは即刻、南アフリカに返還されなければならない。わが国や他国の鉱物が、わが国民の犠牲の上に、英国を利し続けているのだ。」と述べている。
「カリナン」、元々大きな1つのダイヤモンド原石だった。その大きさは人間の心臓ほどの大きさで、重さは約3,106カラットだった。1908年にアムステルダムのロイヤル・アッシャーの元に送られ、9つの大きな石と96の小さな破片にカットされた。ロイヤル・アッシャーによると、最も大きな石は、英国統治下にあった南アフリカのトランスバール政府が購入し、エドワード7世に誕生日プレゼントとして贈られたものだという。その後、国王の笏(しゃく)にはめ込まれた。2番目に大きなカットストーンは、スモール・スター・オブ・アフリカと呼ばれ、大英帝国王冠に装着された。
南アフリカ大学のEveristo Benyera教授(アフリカ政治学)は、そのような物語を否定し、「植民地取引は非合法であり非道徳的である」と主張している。
Benyera氏はCNNに、「我々のシナリオは、トランスバールや南アフリカ連邦政府、それに付随する採掘シンジケート全体が違法であったというものだ。盗まれたダイヤモンドを受け取ったからといって、受け取った側が免罪されるわけではありません。」と語っている。
英国で最も長く君臨した君主の死は、植民地主義やそれがさまざまな国に及ぼした影響について、再び新たな話題を引き起こした。南アフリカの国会議員Vuyolwethu Zungula氏は、自国に対して「英国が行ったすべての被害に対する賠償を要求する」「英国によって盗まれたすべての金とダイヤモンドの返還を要求する」よう促した。
6,000人以上の人々が、「偉大なアフリカの星」を返還し、南アフリカの博物館に展示することを求める請願書に署名している。
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