OpenAIは、テキスト生成モデルGPT-3.5で可能となったモデルのファインチューニングに関し、より多くの企業がこれを簡単に行えるよう、サンフランシスコを拠点とするデータラベリングの新興企業Scaleと提携すると発表した。
同社はブログの中で、企業がデータを安全かつ効果的にAIに活用できるよう支援してきた経験から、Scaleと優先パートナーとして協力し、ファインチューニング機能のメリットを拡大すると述べている。
OpenAIはさらに、Scaleの顧客がOpenAIのモデルをファインチューニングする機会を拡大し、OpenAIのプロセスを反映させたと述べた。さらに、これらの顧客は、エンタープライズAIにおけるScaleの熟練度とデータエンジンの活用から利益を得ることができる。
OpenAIのCOOであるBrad Lightcap氏は、「Scaleは、より多くの企業にファインチューニングのパワーをもたらす能力を拡張し、エンタープライズAIの経験を基に、企業が独自のニーズにOpenAIモデルをより良く適用できるよう支援します」と、述べている。
OpenAIはこれに先立ち、顧客企業によるGPT-3.5 Turboのファインチューニングが可能になり、GPT-4のファインチューニング機能も今秋に登場すると発表した。OpenAIは、GPT 3.5 Turboのファインチューニングは、企業や開発者が自社のデータでモデルを訓練し、大規模に実行できるため、ユースケースに応じてモデルをカスタマイズするのに適していると述べている。
2016年に設立されたScaleのGenerative AI Platformは、企業データを活用して強力な基本生成モデルをカスタマイズし、AIの価値を安全に解き放つ。
「我々はOpenAIと提携し、モデルのパフォーマンスを向上させることで、各企業が独自のニーズに最も効果的にAIを活用できるよう支援できることを嬉しく思います。GPT-3.5のような最高のLLMであっても、プロンプトだけでは、最も正確で効率的な結果を生み出すのに十分なモデルのカスタマイズではありません。ソフトウェアと同様、きめ細かな最適化によって驚くほどの価値が生まれますが、そのためにはファインチューニングが不可欠です」と、Scale創業者兼CEOのAlexandr Wang氏は述べている。
Scaleは以前、アメリカの金融サービス・テクノロジー企業Brexと仕事をしたことがある。Scale社はブログの中で、Scale社のData EngineでアノテーションされたBrex社のデータに対してGPT-3.5のファインチューニングAPIを使用することで、ファインチューニングされたGPT-3.5モデルが純正のGPT-3.5 Turboモデルを66%の確率で上回ったとしている。
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