ChatGPT開発元のOpenAIは、先週末からのSam Altman氏の突然のCEO解任から最大の山場を迎えている。同社の取締役会はAltman氏のCEO復帰ではなく、新たにEmmett Shear氏をCEOとして迎え、Altman氏が共同創設者のGreg Brockman氏と共にMicrosoftに入社し、先進AIチームを率いると発表した事で一旦は終わったかと思ったが、OpenAIの社員らは溜飲が下がらず、取締役全員の即時退任を求めると共に、それが叶わない場合は自らが辞職するとの署名に、既に770名の社員のうち730名が署名しているのだ。
Breaking: 505 of 700 employees @OpenAI tell the board to resign. pic.twitter.com/M4D0RX3Q7a
— Kara Swisher (@karaswisher) November 20, 2023
この署名の中には取締役会が一時的に暫定CEOに指名したものの数日後に交代させたMira Murati氏や、Altman氏と共にOpenAIを共同設立し、当初はAltman氏の更迭を首謀した一人と見られていたIlya Sutskever氏も含まれている。Sutskever氏はこれに先立ち、Xにて今回の取締役会の動きに賛同してしまったことを深く後悔し、OpenAIの再建に全力を尽くすと述べていた。
I deeply regret my participation in the board's actions. I never intended to harm OpenAI. I love everything we've built together and I will do everything I can to reunite the company.
— Ilya Sutskever (@ilyasut) November 20, 2023
公開書簡の中で、従業員たちはOpenAIの取締役会に対する不満をぶちまけている。取締役会は、能力、判断力、OpenAIの使命と従業員に対する配慮の欠如を示している、と書簡は述べている。もし取締役が辞任しなければ、スタッフはMicrosoftの新しいAI部門に移ると脅している。
OpenAIの経営陣は取締役会に働きかけているが、解決策は見つかっていない。
元CEOのSam Altman氏とOpenAIの共同設立者であるGreg Brockman氏は、残りの取締役が退任すればOpenAIに戻る意思があるようだ。
The Vergeによると、Altman氏のMicrosoftへの移籍はまだ決定していないという。取締役でチーフ・サイエンティストのSutskever氏を含むOpenAIの従業員が退任する可能性があることで、残りの取締役に対する退任のプレッシャーが高まっている。
Altman氏、Brockman氏、そしてOpenAIの投資家たちは、取締役会の適切な退任先を探しており、一方でMicrosoft社の採用発表は、ある種の保留とみなされていたという。
「私たち全員が何らかの形で一緒に仕事をすることになる。ひとつのチーム、ひとつの使命だ」とAltman氏はXに書き込んだ。
MicrosoftとOpenAIの緊密なパートナーシップは、彼がOpenAIの開発に関わり続けることを意味する、と彼は付け加えた。すべてのサービスは継続される。
一方、The Informationによると、OpenAIの顧客100人以上が、最近AmazonとGoogleから数十億ドルを調達した競合のAnthropic社に問い合わせをしているという。他の顧客も、OpenAIの対抗となるAIモデルを提供しているGoogle Cloud、Cohere、Microsoft Azureへの乗り換えを検討している。
OpenAIの新CEOとされるEmmett Shear氏も意見を述べ、ここ数日の出来事の調査と経営陣の再編成を含む30日間の計画を発表した。
Today I got a call inviting me to consider a once-in-a-lifetime opportunity: to become the interim CEO of @OpenAI. After consulting with my family and reflecting on it for just a few hours, I accepted. I had recently resigned from my role as CEO of Twitch due to the birth of my…
— Emmett Shear (@eshear) November 20, 2023
Shear氏はまた、Altman氏の解雇は、社内情報筋が疑い報道していたような、AIの安全性に関する “特定の論争”とは何の関係もないと言う。その理由は全く別のものであったとしているが、詳しい事は明らかにしなかった。
「私たちの素晴らしいモデルを商業化するための取締役会のサポートなしにこの仕事を引き受けるほど、私はクレイジーではありません」と、同氏は述べている。
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