NVIDIA、中国向け性能規制版「RTX 4090 D」を発売

masapoco
投稿日 2023年12月30日 16:13
nvidia rtx 4000

NVIDIAは、中国のPCゲーマー市場向けに特別に作られた“新しい”GPUである、「GeForce RTX 4090 D」を発売した。Dは辰年にちなみ、「Dragon(ドラゴン:龍)」のDから取って付けられたようだ。

この特別仕様のRTX 4090グラフィックボードは、以前当サイトでも報じたように、米国による輸出規制を回避するために意図的に性能を下げ、規制に抵触しないように改造を施したモデルとなる。

通常の4090 GPUが16,384個のCUDAコアを搭載しているのに対し、4090 Dは14,592個と、利用可能なコアが1割程度少なくなっている。また、通常の4090が450Wの電力を使用するのに対し、4090 Dの消費電力は425Wだ。Reutersの報道によると、NVIDIAの広報担当者は、全体的なパフォーマンスとして、4090 Dは、標準の4090チップと比較して5%パフォーマンスが低下しているとのことだ。

同じNVIDIAの広報担当者は、GeForce RTX 4090 Dの開発に関して、同社は「米国政府と広範囲に関与した」と述べ、同国の技術輸出制限に準拠できるようにした模様だ。NVIDIAはこのGPUを中国で12,999元(約258,000円)で販売している。

NVIDIAは、GPUの中国限定バージョンを作るために特別な努力をしており、米国の輸出規制を遵守するためにグラフィックカードの性能を落としたのは今回が初めてではない。2022年後半、中国におけるAIアクセラレーターの販売規制の波を受けて、NVIDIAは人気のA100ユニットのインターコネクト速度を下げ、A800としてリニューアルした。このカードに続いてH100の新バージョンが登場し、予想通りH800と呼ばれた。(8は中国の数秘術で最も縁起の良い数字であり、A800とH800の命名は中国に媚びた命名とみられる)

10月に発表された新たな輸出規制により、NVIDIAは再び中国市場向けに設計されたチップを提供することになった。L2、L20、H20は、ワシントンの性能制限に振り回される事となった。

NVIDIAのこうした米政権に挑戦するような態度は、すぐにGina Raimondo米商務長官の目に留まり、チップメーカーがこれらの禁止事項をテストしないよう警告した。「AIを可能にする特定のカットラインを中心にチップを再設計した場合、私はその翌日にそれを規制するつもりです」と、彼女は12月初旬のフォーラムで述べた。

後にRaimondo氏はReutersに対し、商務省はNVIDIAと緊密に協力し、米国の国家安全保障に脅威を与えるGPUやAIアクセラレータが中国に販売されないようにしているが、NVIDIAのチップハウスは中国でのビジネスが可能であり、またそうあるべきだと語っている


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • china smartphone chip
    次の記事

    中国共産党、国内4社が開発する大規模言語モデルに政治的承認を与える

    2023年12月31日 6:47
  • 前の記事

    TSMC、2nm未満のチップ生産拠点を計画中

    2023年12月30日 15:55
    tsmc semiconductor fab14 production 1

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • 91e8dabaf1443f77337f70a1a1d01707

    中国ハイテク大手Huawei、2023年の利益は2倍超に

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

今読まれている記事