NVIDIAは、中国のPCゲーマー市場向けに特別に作られた“新しい”GPUである、「GeForce RTX 4090 D」を発売した。Dは辰年にちなみ、「Dragon(ドラゴン:龍)」のDから取って付けられたようだ。
この特別仕様のRTX 4090グラフィックボードは、以前当サイトでも報じたように、米国による輸出規制を回避するために意図的に性能を下げ、規制に抵触しないように改造を施したモデルとなる。
通常の4090 GPUが16,384個のCUDAコアを搭載しているのに対し、4090 Dは14,592個と、利用可能なコアが1割程度少なくなっている。また、通常の4090が450Wの電力を使用するのに対し、4090 Dの消費電力は425Wだ。Reutersの報道によると、NVIDIAの広報担当者は、全体的なパフォーマンスとして、4090 Dは、標準の4090チップと比較して5%パフォーマンスが低下しているとのことだ。
同じNVIDIAの広報担当者は、GeForce RTX 4090 Dの開発に関して、同社は「米国政府と広範囲に関与した」と述べ、同国の技術輸出制限に準拠できるようにした模様だ。NVIDIAはこのGPUを中国で12,999元(約258,000円)で販売している。
NVIDIAは、GPUの中国限定バージョンを作るために特別な努力をしており、米国の輸出規制を遵守するためにグラフィックカードの性能を落としたのは今回が初めてではない。2022年後半、中国におけるAIアクセラレーターの販売規制の波を受けて、NVIDIAは人気のA100ユニットのインターコネクト速度を下げ、A800としてリニューアルした。このカードに続いてH100の新バージョンが登場し、予想通りH800と呼ばれた。(8は中国の数秘術で最も縁起の良い数字であり、A800とH800の命名は中国に媚びた命名とみられる)
10月に発表された新たな輸出規制により、NVIDIAは再び中国市場向けに設計されたチップを提供することになった。L2、L20、H20は、ワシントンの性能制限に振り回される事となった。
NVIDIAのこうした米政権に挑戦するような態度は、すぐにGina Raimondo米商務長官の目に留まり、チップメーカーがこれらの禁止事項をテストしないよう警告した。「AIを可能にする特定のカットラインを中心にチップを再設計した場合、私はその翌日にそれを規制するつもりです」と、彼女は12月初旬のフォーラムで述べた。
後にRaimondo氏はReutersに対し、商務省はNVIDIAと緊密に協力し、米国の国家安全保障に脅威を与えるGPUやAIアクセラレータが中国に販売されないようにしているが、NVIDIAのチップハウスは中国でのビジネスが可能であり、またそうあるべきだと語っている。
Sources
- NVIDIA(China): GeForce RTX 4090D
- Reuters: Nvidia launches new gaming chip for China to comply with US export controls
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