任天堂の現地法人が、米国連邦裁判所に対し、「大規模な著作権侵害を助長した」として、Nintendo Switchエミュレータ「Yuzu」の開発者を提訴した事が分かった。
Stephen Totilo氏が発見したこの訴訟で、任天堂はYuzuがデジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)の著作権侵害防止および売買防止規定に違反していると主張し、Switchのゲームを他のハードでプレイできないようにする「技術的措置を違法に回避する」ものだとしている。
任天堂はYuzuの開発者に対し、Yuzuの永久差し止め命令だけではなく、yuzu-emu.orgのドメインを任天堂に引き渡し、エミュレータを一掃するためにハードディスクを押収・破壊することも求めている。さらに、任天堂は多額の損害賠償も求めており、その賠償額は極めて高額になる可能性がある。任天堂は、DMCAの侵害防止および人身売買防止規定違反1件につき2500ドル、任天堂の著作権侵害1件につき15万ドルの法定賠償を求めているが、実際の賠償額は裁判で決定されるため、それを選択する可能性もある。
任天堂としてはYuzuの開発者がエミュレータの開発を行っているだけではなく、「違法にコピーされたNintendo Switchのゲームで動作させる」方法に関する「詳細な説明」を提供したり、何千もの公式Nintendo Switchゲームをテストして互換性を確認したり、ユーザーが「prod.keyを入手し、さらに配布する」のを手助けするWebサイトにリンクしたりするなど、無数の方法で“違法コピーを助長している”と指摘している。任天堂はまた、開発者たちは自分たちのエミュレータをテストするために、暗号化を回避してNintendo Switchのゲームを明らかに自分たちで抽出しているとしている。
任天堂は訴状の中で、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が2023年5月上旬に100万回以上違法ダウンロードされた一方で、YuzuのPatreon会員数は同期間に倍増したと主張し、Yuzuによって実際に損害を受けた可能性も示唆している。
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