NASAは、ロケット燃料の極低温テストについて、設定した全ての項目が達せられ、テストが無事終了したことを発表した。これにより、次の「アルテミス1号」ロケットの打ち上げ試行が来週に行われる可能性が高まった。
NASAは、8月下旬に2回目の打ち上げを中止した後に行った修理を確認するために、スペース・ローンチ・システムのタンクに過冷却燃料を加えるテストを行わなければならなかった。ケネディ宇宙センターの地上チームは当時、SLSの燃料パイプの1本に影響する持続的な水素漏れを発見し、3回あるうちの1回を修理しようとした。結局、チームは失敗し、ミッションの延期を決定した。
数日後、チームは、SLSロケットのコアブースタータンクが短時間の過加圧状態に陥ったときに漏れが発生したことを突き止めた。同じ事故が起こらないように、チームはロケットのタンクに推進剤を充填する手順を調整し、漏れの原因となる急激な変化を防ぐために、温度と圧力をよりゆっくりと移行させるというものだ。また、ロケットの液体水素シールの1つに小さなくぼみがあり、それが漏れの原因となった可能性があることを発見し、同チームのエンジニアはシールを交換した。
燃料試験中にも水素漏れが発生したが、今回はトラブルシューティングが功を奏し、「許容範囲内」に収まることができたという。その結果、液体水素タンクの圧力を実際の打ち上げ直前と同じレベルにまで上げる予備加圧試験を行うことができたのだ。
「アルテミス1号」ロケット打ち上げディレクターのCharlie Blackwell-Thompson氏は、テストは「本当にうまくいった」と述べ、チームが目指したすべての目的を達成することができたと語った。NASAは今後、このテストのデータを評価した上で、9月27日(日本時間9月28日0時過ぎ)の目標日に再び打ち上げを行うかどうかを決定する。
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