NASAとSpaceXは、ハッブル宇宙望遠鏡をより高い軌道に持ち上げるために宇宙船ドラゴンを使用する可能性を研究する契約を締結した。ハッブル宇宙望遠鏡の軌道は、大気の抵抗により時間とともに減衰するため、より安定した軌道に再投入することで、その寿命をさらに延ばせる可能性があるのだ。SpaceX社は数ヶ月前、億万長者の実業家であるJared Isaacman氏が組織する有人宇宙飛行構想「Polaris Program」と提携して、このアイデアを提案した。
NASAは、この研究のために資金を投入する予定はなく、ドラゴンでハッブルを再ブーストするミッションに資金を提供する計画も今のところないとしている。The New York Timesによると、NASAの科学担当副長官であるThomas Zurbuchen氏は、記者会見で次のように述べたという。「絶対にはっきりさせておきたい。我々は今日、このような計画を絶対に進めるという発表をしていない。”NASAとSpaceXは独占契約も結んでいないので、他の企業も自社の宇宙船をモデルにした研究を提案することができる。現時点では、このパートナーシップは、可能性を見出すためのものです。」
両チームは、ハッブル宇宙望遠鏡と宇宙船ドラゴンの両方から6カ月かけて技術データを収集する予定だ。そして、その情報をもとに、カプセルが望遠鏡にランデブーしてドッキングしても安全かどうかを判断し、物理的にハッブルを高高度まで上昇させる方法についても検討する。同会議で、SpaceXの顧客業務担当副社長Jessica Jensen氏はこう説明した。「私たちがやりたいことは、現在の技術の限界を広げることです。ハッブルのサービスのような困難で複雑な問題のミッションを創造的に解決するために、官民のパートナーシップだけでなく、商業的パートナーシップをどのように利用するかを示したいのです。」
32年の歴史を持つ望遠鏡の寿命を何年も延ばす可能性があることに加え、この研究が発見した整備ソリューションは、地球近傍軌道にある他の宇宙船にも適用できる可能性を見出すかもしれない。
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