NASAは、水素漏れの修復に失敗したため、アルテミス1、スペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットの打ち上げを再び中止した。
NASAのBill Nelson長官は、修理のために打ち上げを10月に延期する可能性を示唆した
水素漏れは今朝、ロケットが液体水素を充填し始めた直後に初めて気づかれた。ロケットが最初の燃料である摂氏マイナス250℃に冷却された液体水素を充填している最中にアラームが鳴り、エンジニアにロケットのエンジンの1つのシールに隙間があり、そこから燃料が漏れていることを知らせたのである。NASAによると、エンジニアは3度にわたって燃料漏れを塞ごうとしたが失敗したという。
NASAは公式ブログで以下のように述べている。
ロケットのコアステージに推進剤を充填する際、液体水素の漏れが発生しました。 液体水素をロケットに送り込むクイックディスコネクトのシールを貼り直すなど、複数のトラブルシューティングを実施しましたが、問題は解決されませんでした。エンジニアは引き続き追加データの収集を行っています。
チームは3回のトラブルシューティングを試みたが、問題を解決するための努力のたびに漏れが検出された。3度目の正直で、エンジニアは打ち上げを「ノー・ゴー」にするよう勧告した。その直後、ミッションの打ち上げ責任者であるCharlie Blackwell-Thompson氏は、打ち上げの試行を中止することを決定した。
ミッション・マネージャーは、その日のうちに会議を開き、方針を決定する予定だ。これから、2週間の打ち上げ停止期間が始まる。一方、大規模な漏水検査と修理のために、ロケットをパッドから格納庫に運ぶことが必要になる可能性があり、そうなると10月のフライトにずれ込むとNASAのNelson長官は述べた。
「準備ができたら行く。なぜなら、4人の人間をロケットに乗せる前に、私たちはこのロケットにストレスを与えてテストし、それが正しいかどうかを確認するつもりだからです。これは我々の宇宙計画の一部です。延期の可能性は常にあります。」と、Nelson氏は述べている。
SLSは先月29日にもエンジンの温度センサーに不具合がみつかり、カウントダウンの途中で打ち上げが延期されていた。
音速の32倍の速さで地球の大気圏に突入する宇宙船オリオンは、これまでのどの宇宙船よりも高温で高速で帰還し、2,800℃まで加熱される予定だ。このため、カプセルの熱シールドが試され、パラシュートとともに空気摩擦を利用してオリオンの速度を時速32.2kmまで落とし、その後、メキシコのバハカリフォルニア沖の太平洋に安全に落下し、回収の準備が整うことになる。
この後、2024年にアルテミス2、そして、2025/2026年にアルテミス3が実施される予定だ。アルテミス2ではアルテミス1と同じ旅をするが、4人の有人クルーが搭乗する。アルテミス3は、月の南極に降り立った初の女性と初の有色人種を送り込む予定である。
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