奇妙な電波を発する宇宙をさまよう惑星サイズの天体に謎が深まる

masapoco
投稿日 2024年1月26日 11:58
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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が昨年、恒星の周りを回らない木星サイズの遊星体数十個を発見した。この発見の際、この遊星群が赤外線放射を生成していることを示した事から、メキシコの研究チームはこの天体が電波を生成しているのか追跡調査を行っていた。彼らはこれらの奇妙な天体が発する信号を調査した結果について、その奇妙な結果を報告している。

2023年10月、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の天文学者2人が、まだ査読されていない論文で、彼らが「JuMBO(Jupiter Mass Binary Objects、木星質量連星天体)」と呼ぶこれらの天体について報告した。ESAの研究者らは、ウェッブ望遠鏡の強力な赤外線能力を使用して、これらの惑星サイズの天体を検出した。これらの天体は、オリオン星雲の周りでペアを成して踊っているように見えた。

その後、メキシコ国立自治大学の天体物理学者Luis Rodríguez氏は、JuMBOの発見後、これらの珍しい天体が電波を発しているかどうかを確認したいと考えた。そこで彼と彼のチームは、米国国立電波天文台のアーカイブを調査し、JuMBOの1つである「JuMBO 24」が実際に信号を発していることを発見した。

「JuMBO 24」は、他のペアよりも重く、互いの間隔が最も狭いという点で、さらに奇妙である。このペアに関する新しい論文が『The Astrophysics Journal Letters』に掲載された。

研究チームがまとめた10年分のデータは、電波が安定しているが強力であり、TNT換算で250kgのパワーと6〜10ギガヘルツの周波数を持っていることを示した。また、電波は円偏光を持たず、つまり螺旋状のねじれた電場を欠いていると、チームは報告した。

しかし、これらの特徴は、惑星によって生成される信号とは異なるものである。Rodríguez氏はLive Scienceとのインタビューで「円偏光は磁場の存在の明確な指標である」と述べた。これがなければ、チームは信号がJuMBO 24から来ていると確実に言うことはできない(惑星が磁場を持っていると仮定する場合)。さらに、他の太陽系外惑星からの電波放射は、より変動が大きく、強度も低い。

この奇妙な状況は、波の正確な起源を特定することを困難にしているが、研究者たちの推定によれば、放射がJuMBO 24の背後にある何かから来ている可能性は1万分の1だという。

Live Scienceは、波がエイリアンの起源である可能性について尋ねたが、Rodríguez氏は、両方の成分が同様のレベルで放射しているという事実が自然なメカニズムを支持しているため、それはありそうにないと説明した。

JuMBO 24から放出される波は、JWSTの助けを借りて行われた多くの他の発見と同様に、答えよりも多くの疑問を提起している。しかし、これらの顕著な天体が何であるかを解明しようとする試みの中で、Rodríguez氏と彼のチームは、「なぜ一部の天体には検出可能な電波放射があり、他にはないのか」という少なくとも一つの疑問に答えるのに役立つかもしれない。


論文

参考文献

研究の要旨

James Webb宇宙望遠鏡によるオリオン大星雲内部の近赤外線データを用いて、PearsonとMcCaughreanは40個の木星質量連星天体を検出した。これらの連星系は恒星とは関係なく、その構成要素は巨大な木星型惑星の質量を持ち、天球面内の距離は約100Åである。このような広範な惑星質量連星系が存在することは、現在の恒星・惑星形成理論では予想外であった。ここでは、Karl G. Jansky超大型アレイの電波連続スペクトル(6.1GHzと10.0GHz)によるJuMBO 24の検出を報告する。電波放射は、数日から数年の時間スケールで約50μJyのレベルで安定しているようである。電波源の速度は、天球の平面上で↪Sm_2243 km s-1の上限を設定した。近赤外線と同様に、電波源は連星の両成分から来ているようである。



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