クラウドストレージ企業のBackblazeは、同社が扱う数十万台のハードディスクドライブ(HDD)の年間故障率について報告し、有用なデータを提供してくれることで有名だが、今回の2023年第1四半期ドライブ統計レポートでは、少し異なるアプローチで、HDDが故障するまでの平均稼働時間を算出している。その結果、HDDの平均稼働時間は、3年をわずかに下回ることが判明した。このデータは、以前故障したHDDを調査したSecure Data Recoveryの報告書と一致している。大きな違いは、Backblazeがその規模から、より多くのドライブを分析したことだが、それでも同様の結論に達している。
ハードディスクの寿命に関する前回の報告は、ロサンゼルスのSecure Data Recoveryという研究所のものだ。この研究所は、2,007台の故障したHDDを分析し、故障したHDDの平均寿命は2年10カ月であると結論づけた。これは、一般的な消費者向けHDDの保証期間が2年で、企業向けドライブは5年保証であることから、理にかなっていると言える。
Backblazeは、この分析に興味を持ち、独自の調査を行うことにした。自社のデータセットに問い合わせ、故障したドライブのデータを取り出したのだ。関連性のないドライブを除外した後、合計17,155台のハードディスク・ドライブが集まった。これは、Secure Data Recoveryのレポートよりもはるかに大きなサンプルである。SMART 9の電源投入時間の生データを使用して、すべての故障ドライブの平均寿命を集計したところ、2年6ヶ月という結果になった。
このデータを詳しく見てみると、いくつかの興味深い結論が得られた。最も注目すべきは、故障したドライブ全体を見た場合、容量の小さいドライブの方が、容量の大きいドライブよりも長持ちしていることだ。これには、1TBから4TBのドライブが含まれ、12TB以上のドライブは含まれない。Backblazeは、このデータをさらに細かく分類して、容量別の故障データを上のグラフに示した。このデータにより、これまでのところ、より小さなドライブがより長持ちするという結論が補強された。
さらに、データセンターで使用されなくなった故障したドライブの数も調べた。その結果、合計3,379台のドライブが見つかり、その平均寿命は2年7カ月であることが判明した。これは、17,000台以上のドライブを対象とした分析結果よりも1ヶ月長いだけで、この調査結果に信憑性を持たせている。
したがって、結論としては、ストレージデバイスが新品であっても、特に2年前のものであっても、必ずデータをバックアップすることが推奨される。
Source
- Backblaze: Backblaze Drive Stats for Q1 2023
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