メーカー各社は、今年後半からAI対応のWindows PCを相次いで消費者市場に投入する準備を進めているが、Microsoftからその認定を受けるためには、いくつかの最低要件を満たす必要があり、高い処理能力と共に、RAMに関しては最低でも16GBが必要になるようだ。
TrendForceとTom’s Hardwareの情報源によれば、Microsoftが認定する“AI PC”の条件として、少なくとも40 TOPS(1秒間に数兆回の演算)の性能基準を満たす必要があるようだ。
2024年後半に出荷が予定されているQualcommのSnapdragon X Eliteプラットフォームは、約45TOPSというMicrosoftの性能要件を満たす最初の製品になる可能性がある。TrendForce社は、Qualcommが早期に準拠することで、同社やDell、Asus、Lenovo、AcerなどのパートナーがAI PCに対する関心を早期に獲得できる可能性があり、x86にとっては面白くない状況になる可能性があると述べている。
IntelのMeteor Lakeプラットフォームは、CPU+GPU+NPU の合計能力が34TOPSであり、Microsoftの要件である40TOPSに満たないと言われているが、Lunar Lakeが今年後半に登場すれば、その要件を満たす可能性がありそうだ。また、AMDのRyzen 8000シリーズ(Strix Point)も採用されるだろう、とTrendForceは付け加えた。
TrendForceはさらに、MicrosoftがAI PCのDRAM容量に新たな最低基準値(16GB)を設定すると指摘した。これは、デスクトップユーザーにとってはさほど大きなハードルにはならないだろう。そもそも、16GBはすでに新しいPCにとって最低でも必要な条件であると多くのユーザーから考えられているからだ。
しかし、メモリがハンダ付けされている既存のラップトップ所有者は、AI PCの流れに乗るためにはより厳しい決断を迫られることになるだろう。RAMのアップグレードが困難な場合は、マシンの買い換えも必要になるかも知れない。ただし幸いなことに、新しいCAMM2メモリ規格のおかげで、ハンダ付けメモリはそれほど長くは存在しないかもしれない。
TrendForceは新しいWindows PCの最低RAM要件が引き上げられることで、メモリ市場の安定化にもつながるかもしれないと予測している。特に、QualcommのSnapdragon X EliteやIntelのLunar LakeがLPDDR5xを採用している事から、LPDDRが今年の PC DRAM 需要の約 30 ~ 35% を占め、将来的には AI PC CPU メーカーが定めた仕様によって需要が増加し、LPDDR の採用がさらに増加すると予測している。
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