Bloombergの報道によると、Microsoftは、ライバル企業がBingの検索インデックスを使用してAIチャットボットを動かすことを拒否したようだ。匿名を前提にBloombergに語った関係者によると、MicrosoftはBing搭載検索エンジン2社に対し、AIツールでBingの検索インデックスを使い続ける場合は、Microsoftの検索インデックスへのアクセスを全面的に制限すると伝えたという。
検索インデックスは、特定の検索エンジンが、特定のクエリに関連する結果を探す際に簡単にアクセスできるオンラインマップだ。Web全体をインデックス化するのは法外なコストがかかるため、検索エンジンの一部や、Bingの検索インデックスを採用している。検索チャットボットのデータ収集も同様に、費用と時間がかかる。
Bloombergが指摘するように、MicrosoftはBingの検索インデックスをDuckDuckGo、Yahoo、AI検索エンジンYou.comなど複数の検索エンジンにライセンス供与している。例えばDuckDuckGoはBingと独自のWebクローラーを組み合わせて検索結果を提供しているが、You.comとNeevaもBingから検索結果の一部を取得し、Web全体をクロールするのに伴う時間やリソースを節約するのに役立っている。
Microsoftが2月にOpenAIのAIチャットエンジンをBingに統合したことで、ライバル各社がこぞってこの人気技術を自社製品に搭載し始めた。
DuckDuckGoは、AIを利用して検索結果を要約する機能「DuckAssist」を導入した。
また、2021年にデビューしたばかりの検索エンジン「You.com」と「Neeva」も、それぞれ「YouChat」と「NeevaAI」というAI搭載の検索サービスを導入している。
BingにOpenAIのAIテクノロジーを導入したことで、先日初めてデイリー・アクティブ・ユーザーが1億人を突破し、悲願のGoogleからのシェア奪還を目指すMicrosoftとしては、こうしたライバル企業がBing同様にAI機能を搭載し、シェア獲得に動こうとするのが面白くなかったのだろう。
Microsoftは、AI会話ツールに供給するために同社のBing検索インデックスを活用していた少なくとも2つのクライアントに、契約に反すると通知した事が、Bloombergによって報じられた。情報筋によると、Microsoftは、ユーザーが同社の検索インデックスを使用することを許可する許可を取り消すと脅したとのことだ。
Microsoftは、「私たちは、全面的に規約を一貫して執行し続けているため、コンプライアンス違反をしているパートナーに連絡を取っている。我々は今後も彼らと直接協力し、進むべき道を見つけるために必要なあらゆる情報を提供していく」という声明を発表している。
小規模な検索エンジンは、Microsoftのインデックスへのアクセスが打ち切られた場合、代替手段を見つけるのに苦労するだろう。
Web全体のインデックスを作成しているのはMicrosoftとGoogleの2社だけで、Googleはそのインデックスの使用方法に制限があるため、他の検索エンジンではGoogleに代わってBingが広く使われている。
GoogleのようにOpenAIのChatGPTのような機能を導入する企業が増える中、Microsoftは自社の検索データを使えるAIチャットボットはBingチャットボットだけにしたいようだ。このツールは、すでにOpenAIの言語モデルの最新かつ最も強力なバージョンであるGPT-4を搭載しており、さまざまな質問への回答、要約の作成、コードの生成、ソーシャルメディアへの投稿などを行うことが出来る様になっている。
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