The Informationの報道によると、Microsoftは、データ漏洩や規制遵守を懸念する銀行、医療機関、その他の大規模組織に対して、ChatGPTチャットボットのプライバシーに特化したバージョンの提供を計画しているとのことだ。
この製品は「今四半期後半」に発表される可能性があり、MicrosoftがEdgeやWindowsなどの製品に組み込んでいるChatGPTのバージョンを使っている他の企業や他の個人ユーザーが使うものとは別の専用サーバーでChatGPTを実行することになるという。これにより、機密データがChatGPTの言語モデルの学習に使用されることがなくなり、不慮のデータ漏洩を防ぐことが出来るとのことだ。
ただし、専用サーバーを用意する事から、顧客が負担するコストも増大し、The Informationによると、現在ChatGPTの利用のためにユーザーが支払っている金額の10倍以上が必要となる可能性があるとも報じている。
既にOpenAIも、プライバシーを重視した新しいビジネス・サブスクリプションを開始する予定である事を明らかにしている。OpenAIは、Morgan StanleyにもプライベートChatGPTサービスを販売しており、同行のウェルス・マネジメント部門が、同行の市場調査資料数千件を質問・分析することが出来ているとのことだ。
Microsoftが提供するプライバシーを重視したAIサービスは、重要かつ機密性の高いデータを扱いがちな企業にとって、ゲームチェンジャーとなり得る。既に韓国Samusungは、一部従業員が機密情報をChatGPTに入力した事があった事から、全社的に生成AIの利用を禁止しているが、同様の懸念は多くの企業につきまとう事だ。今回のMicrosoftの動きはそういった企業のリスクをヘッジしつつ、AI導入による業務効率の向上を享受する機会を提供する物だ。
Microsoftの営業担当者は、多くの既存顧客がデータを安全に管理する上で有益となるAzureとの契約を結んでいることから、すでにこの次期製品について組織に問い合わせをしているとのことだ。
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