発売から12年、2億3800万本以上を売り上げ、数々のアップデート、MOD、スピンオフゲームを経て、「Minecraft」は世界で最も売れたゲームの1つであり、現在でも売れ続けている名作だ。これまでは、ゲーム内で何かを作ろうとすると、数分から数時間かけて材料を集め、それを組み立てる必要があったが、Microsoftはこのゲームの新たな楽しみ方として、AIを取り入れる事を模索しているようだ。
Semafor Technologyの編集者Reed Albergotti氏によると、Microsoftは、プレイヤーが自然言語コマンドを使ってキャラクターを操作したり、物を作ったりできるMinecraftの新たな機能を内部でデモしているとのことだ。Albergotti氏は、このデモではAIが使われていたものの、Bing Chatサービスを支えるOpenAIのPrometheus Modelは搭載されていなかったとしている。ただし、この機能をMinecraftのパブリックビルドに展開することは「Microsoftにはすぐに予定がない」と述べている。
Albergotti氏は、この情報のソースとして「この問題に詳しい人物」とのことで、実際のゲーム画面などは示されておらず、リークや噂の範疇に過ぎないが、MicrosoftがゲームにおいてAI技術をテストすることは理にかなっており、それを試すのにMinecraftほど適したタイトルはないだろう。
MicrosoftがMinecraftでAIを使うのはこれが初めてではない。ChatGPTやBing Chatを開発したOpenAIは、2022年6月に発表した研究で、7万時間の動画を見せることで「行動クローンモデル」を訓練し、AIに人間のようにプレイさせる事に成功したと紹介している。このモデルは、クラフトテーブルを作る、石のツルハシをクラフトする、木のシェルターを建設する、といった複雑なタスクを人間以上の速度で実行することができたという。
とはいえ、リークのようなMinecraftの機能が実装されたとして、ではこのゲームの楽しみは一体何なのかという疑問も浮かぶ。自分の手で素材を集め、組み合わせて、何かを作り出すことなのか?それともただ自分のアイデアが実現するのを見るだけなのか?はたまた、誰かが作ってくれたもので遊ぶだけなのか?そして、それはゲームを早々と飽きさせることに繋がらないかと。Minecraftは、建設作業の多くを自分で行うからこそ魅力的なのではないだろうか。
自然言語処理や高度な機械学習が、「Minecraft」だけでなく他の多くのゲームにどのような影響を与えるのか、これから明らかになるだろう。
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