Metaは、第4四半期の決算でメタバース部門がこれまでで最大の損失を出したと報告した。
同社のVR部門(Meta Reality Labs)の損失は、前年同期の営業損失33億400万ドルに対して、第4四半期は42億7900万ドルに達した。しかし、予想以上に良い決算だったため、時間外取引では株価が上がっている。
VR部門の第4四半期の売上は7億2700万ドルで、前年同期の8億7700万ドルから減少した。注目すべきは、Metaが2022年8月にOculus Quest 2ヘッドセットの基本価格を100ドル上げて400ドルにして以来、初のホリデー商戦となったことだ。この四半期、Metaはヘッドセットの企業向けハイエンド版であるMeta Quest Proを1,500ドルで発売もした。
Metaは、Reality Labs部門(以前はFacebookのOculus部門として知られていた)の業績を公表し始め、投資家に、次のバージョンのインターネット、またはメタバースへの投資額を実感させることに成功した。
しかし、Reality LabsもMetaも、より効率的な活動に力を入れることに変わりはないと指摘した。
Metaは第4四半期に、オフィススペースのリースの早期解約、データセンタープロジェクトの再設計、第4四半期に解雇された従業員の退職金などに関連するリストラ費用42億ドルも計上した。2023年にはさらに10億ドルの構造改革費用が発生する予定だ。この費用により、全体の収益が減少した。同社は、AIと非AIタスクを同時に処理できる新しいデータセンター・アーキテクチャに移行しているという。
「2022年は困難な年だったが、進むべき道を見つけるために前進した」と、MetaのMark Zuckerberg CEOはアナリスト向け電話会議で述べた。
第4四半期の売上高321億6500万ドルに対する全体の純利益は46億5200万ドル(1株当たり1.76ドル)、前年同期は売上高336億7100万ドルに対する純利益は102億8500万ドル(1株当たり3.67ドル)であった。Meta(同社アプリの総合計)の12月のデイリーアクティブユーザーは、平均29億6000万人で、前年同月比5%増となった。月間アクティブユーザー数は12月31日に37億4000万人となり、前年比4%増となった。
アナリストは、売上高315億3000万ドルで、1株当たり利益が2.22ドルになると予想していた。つまり、純利益では未達だったが、収益では予想を上回ったのだ。Metaは広告収入(予想308.6億ドルに対し312.5億ドル)、Facebookのデイリーアクティブユーザー(予想19.8億人に対し20億人)、アプリ群のデイリーアクティブユーザー(予想29.2億人に対し29.6億人)で予想を上回った。これを受けて時間外取引で、Metaの株価は上昇している。
Facebook自体のデイリーアクティブユーザーは20億人で、前年同期比4%増となった。
Zuckerberg CEOは、「2023年の経営テーマは「効率化の年」であり、より強く、より軽快な組織となることに注力しています。」と、述べている。
これは、Reality Labs部門のリーダーの一人で、Metaを退社し、最近はコンサルタントとして活躍しているJohn Carmack氏のMetaへの批判に対する回答のようにも思える。同氏は、Metaがあまりにも非効率的になってしまったと述べていた。
また、Zuckerberg氏は、AIとメタバースがやはり同社の戦略を牽引していると述べた。また、Reelsが大きく進展していることから、同社は短編動画に注力していると述べた。同社はAIへの投資を続けており、それが広告費に対する高いリターンにつながっていると述べた。Instagramに加え、新たな柱としてメッセージングを取り込みたいと語っている。
また、ジェネレーティブAIの可能性については、“非常に興味深い分野”だと述べていた。
最初のメインストリーム向け複合現実感デバイスであるMeta Quest Proの発売をMetaが行えたことを誇りに思うと同時に、MRはいずれスマートフォンで得られるよりも優れたソーシャル体験を提供することになると考えているとのことだ。
また、「Meta Quest 2」の後継機として、「Meta Quest 3」が今年後半に登場する予定であることに変わりはないとしている。
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