Mercedes-BenzはMicrosoftとの新しいパートナーシップを発表し、Azure OpenAI Serviceを利用して、一部の車のオーナーが自動車メーカーの音声アシスタントを通じてOpenAIのChatGPTにアクセスできるようにすることを明らかにした。
当初は、一部の車両に搭載された米国の顧客向けに3ヶ月間のベータプログラムの形で提供されるが、Mercedes-Benzは、将来的にはより広範で恒久的な展開を検討するとしている。
利用の条件としては、米国の顧客であり、同社のインフォテインメントシステムMBUXを搭載した車であれば良く、オーナーは、Mercedes meアプリからベータプログラムに申し込むか、車に乗っているときに「Hey Mercedes, I want to join the beta program.」と言うだけで申し込めるとしている。
ChatGPTの導入により、例えば「暖房をつけてください」「天気予報はどうなっていますか」といった、予め用意された定型命令文に対する回答だけではなく、文脈に応じたフォローアップの質問も含め、ほぼすべてのトピックについて自然な会話を行うことが出来るとしている。さらに、Mercedes-Benzは、自然言語によるレストラン予約や映画チケット予約などのタスクを可能にするChatGPTプラグインを「検討中」としている。
Mercedes-Benzは、データ保護についてAzureの「エンタープライズグレードのセキュリティ、プライバシー、信頼性」で守られるとしている。しかし、Mercedes-Benz、Microsoftの両社は、ユーザーの会話は「Mercedes-Benz Intelligent Cloudに保存され、そこで匿名化、分析される」と明言している。つまり、トレーニングやデータ分析のためにあなたの録音を聴く人がいると想定されるので、プライベートなことや個人を特定できるようなことを口にするの場合は慎重に使用した方がいいだろう。また、路上で長時間のチャットをすることは、漫然運転につながる可能性もあるため、ドライバーが同社の車両でChatGPTを使用する際には、「潜在的なリスクに目を光らせる」とも述べている。さらに、”すべてのお客様のために、このシステムは継続的に改善される”と付け加えた。
3ヶ月のベータテスト期間が終了すると、Mercedes-Benzはその結果を踏まえて音声アシスタントをさらに改善し、「より多くの市場や言語での大規模な言語モデルの展開戦略を定める」ことができるようにする予定とのことで、今後は日本での導入も期待できそうだ。
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