リチウムイオンバッテリーの急速充電は、バッテリーへの負荷が高くバッテリーの寿命を早めてしまう可能性が懸念されてきたが、少なくともTesla社の電気自動車に関しては神経質になる必要がないことが、大規模な研究によって明らかになった。
これについては、当のTesla自身も警告を発していたため、オーナーは少なからずそうした認識を持っていたことだろう。
世界最大のEVメーカーであるTeslaは、その豊富な販売台数から得られたデータにより、様々な情報を共有している。とはいえ出てくる物は同社に取って不利な物はないので公平ではない部分もあるが、バッテリーの劣化に関する最新の情報では、Tesla車は32万km走行してもバッテリー寿命が約12%しか減らないとしていた。
今回の新たな情報としては、ソフトウェア・サービスを通じて米国内の12,500台以上のTesla車のデータにアクセスできるReccurent社の新しいレポートでは、頻繁に急速充電をするグループと、たまにしか急速充電を行わないグループの間でバッテリーの劣化にほとんど差がないことが明確に示された:
グラフからわかるように、Model Yに関しては、急速充電を頻繁に行うことでむしろバッテリーの劣化が少し改善すらされている。Model 3に関しても、急速充電の頻度でバッテリー寿命に与えられる影響はほとんど差がないことが明らかになっている。
以上について、Reccurentは以下のようにまとめている:
90%以上の頻度で急速充電する車と、10%未満の頻度で急速充電する車を比較した。つまり、ほとんど急速充電しかしない人と、ほとんど急速充電しない人である。その結果、90%以上の頻度で急速充電を行うTesla車と、10%未満の頻度で急速充電を行うTesla車の間で、航続距離の劣化に統計的に有意な差は見られなかった。
EVのデメリットの1つが充電時間の長さにあるため、これが多少でも改善される急速充電は今後普及が進んでくる物と思われるが、それがバッテリーに対して影響を与えないことが明らかになれば、人々は安心して急速充電を利用でき、EVの普及に更に拍車をかけることにも繋がるだろう。
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