スマートフォンやPCなどを使い、今まで誰かに共有するために送っていた写真や画像は、考えるまでもなく平面的な2D作品だが、それが今後は3Dでも共有できるようになるかもしれない。そしてそれを閲覧するために特別なデバイスは必要ないのだ。
Looking Glass Factory : Holograms Are Coming to the Internet
The Verge : Looking Glass might have just invented the GIF’s 3D successor
ホログラムを共有する簡単な方法「Looking Glass Block」
「3Dで作られたものの99.9999999%は、これまで2Dでしか表示されたことがない。これは正気の沙汰ではありません」
米国のLooking Glass Factoryは、挑戦的な発言と共に、誰でも簡単にホログラムを共有できる方法として、「Looking Glass Block」を発表した。
3D作品は、それこそピクサー映画だけでなく、Unreal Engine などの3Dエンジンで開発されたゲームなど、数多くの作品がちまたにあふれている。だが、それらはユーザーの目に入る頃には、完全にフラットな2D映像として届けられるのが現状だ。
完全に3D映像として体験するにはVRデバイスが必要となるが、Meta Quest 2をはじめとする、VRヘッドセットも徐々に普及はしてきているとはいえ、それでもスマートフォンの普及率に比べると月とすっぽんだろう。
今回発表された、「Looking Glass Block」は、そんなスマートフォンからVRデバイスへの移行の過渡期を繋ぐ規格になる可能性を秘めている。
Looking Glass Blockは、すべての2Dおよび3Dプラットフォームで、最高の3D品質で、可能な限り多くの視聴者に作品を同時に共有したいすべての3Dクリエーター向けに開発された、デスクトップ、モバイル、VR、AR、ホログラフィックディスプレイなど、すべてのデバイスで動作するように組み込まれた最初のホログラフィックメディアだ。これは、Web標準の技術を応用して作られており、最新のWebブラウザで簡単に表示ができるとのこと。もちろん、表示はVRまたはARヘッドセットでも、またLooking Glass Factoryが販売しているLooking Glassというホログラム表示用のデバイスでも可能だ。
共有はYouTubeのビデオをシェアするのと同じくらい簡単にできるという。誰かに送りたければリンクを送信すればいいし、このようにブログに埋め込むことも可能だ。以下にLooking Glass Blockを実際に埋め込んでみたので、マウスでスライドしたり、指でスワイプして試して頂きたい。
ご覧のように、「画像」をスワイプまたはマウスで移動するだけで視差3D効果が得られ、 ホログラムを「見る」ことができるようになっているのがお分かり頂けるだろう。VRヘッドセットでも、Webブラウザーを開き、[VRに入る]ボタンをタップして仮想部屋に移動し、完全な立体3D映像を体験することが出来る。
Looking Glass Blockでは、すべてのブロックが3Dシーンの100ものスライスからできており、それぞれのスライスが異なる視点から「撮影」された画像から構成された物となっている。そのため、スクロールするまでにすべての画像を読み込まなければならないので、データ量はそれなりの物になる。Looking Glass Factoryによると、1つのブロックが2MBになることもあれば、8K表示用に設計されている場合は50MBになることもあるとのことだ。
3D作品と聞くと、Blenderなどを用いてアーティストが作る物を想像されるかもしれないが、実はiPhoneなどに搭載されている「ポートレート」機能も、2つのカメラによる視差や深度カメラによる情報を元に作られている。そのため、Looking Glass Blockでそれを元にホログラムを表示することも可能になるとのことだ。
現在は、Blender、Unity、Unrealのプラグインによってホログラムを作成できるようだが、今後はC4D、Zbrush、Procreate、nerfies、iPhoneやAndroidのポートレートモードの写真にも拡大するとのことだ。
これらは現在プロトタイプであり、限られたユーザーが作品を投稿するのみとなっている。Looking Glass Blockは現在パイロットプログラムを実施しており、3Dクリエイターによる作品の投稿を募っている。興味があればこちらから参加できるとのことだ。
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