アメリカの軍事企業ロッキード・マーティン社が、これまでで最も強力なレーザー発生装置を米軍の国防省研究技術次官室OUSD(R&E)に予定より早く納入し、さまざまな標的を攻撃するために設計された新しいレーザー兵器デモ機への搭載を決定した。
2020年代に入り、レーザー兵器は有望なコンセプトから戦場での実用兵器へと急速に進化している。とはいえ、その進展はこれまでに困難を伴う物で、レーザー兵器のその非常に複雑なシステムゆえに、設計上のコンセプトが実用的でなくなると、しばしば振り出しに戻されると言う事が繰り返されてきた。
パワーユニット、レーザー発生器、ビームコンバイナー、集光ユニット、ターゲットシステムなど、それぞれのサブシステムが前進し、機能だけでなく、海、陸、空、宇宙での実用兵器として十分に堅牢で信頼できる形で適切に統合されていなければならない。
中でも最も重要なシステムは固体レーザーそのものだ。今回、ロッキード・マーティン社は出力を300kW級に高めた。これは、同社が8月に米海軍に納入し、既存の軍艦に搭載した戦術レーザー「HELIOS」の5倍の出力となる。
この新型300kWレーザーは、米陸軍の高エネルギーレーザー(IFPC-HEL)実証機レーザー兵器システムなど、いくつかの実証プロジェクトで使用される予定だ。実験室およびフィールドでのテストは今年後半に予定されている。
レーザーの出力を上げることで、将来の兵器はより長い距離でより大きな標的を幅広く攻撃し、より迅速に無力化することができるようになる。
「ロッキード・マーティン社は、連続波高エネルギーレーザーの出力と効率を高め、重量と体積を減らすことで、将来の高出力レーザー兵器システムの実用化努力のリスクを軽減します」と、ロッキード・マーティン・アドバンスト・プロダクト・ソリューションズの副社長、Rick Cordaro氏は述べている。
コメントを残す