写真編集アプリ「Lensa AI 」は、先週、このプログラムの最新機能「魔法のアバター」を使ってAIが生成した自撮り写真を投稿する人々でソーシャルメディアが溢れ、大きな人気を集めた。
だが、Lensaのプライバシーポリシーと利用規約には、ユーザーが自撮り写真を生成するために提出した画像、つまり「顔データ」が、Lensaを開発したPrisma Labsによって、AIのニューラルネットワークをさらに訓練するために使用されることがあると規定されている事を見落とす人が多いのではないだろうか。
Lensaで使われているような人工ニューラルネットワークや、人気のテキスト画像生成ツール「Dall-E 2」は、膨大な量のデータを研究して、より良い結果を生み出す方法を学習していく。簡単な文章を驚くほどよくできた画像に変換できるようにするため、Dall-E 2は何億枚もの画像で訓練し、異なる単語と異なる視覚的特徴の関連性を学習した。同様に、Lensaのニューラルネットワークは、より正確に顔を描写する方法を継続的に学習しているのだ。
この顔データには、位置、向き、顔のトポロジーが含まれており、AppleのTrueDepth APIを使って取得されている。この顔データをニューラルネットワークに取り込む。ただし、この顔データは第三者に販売されることはない。
Lensa AIを開発したPrisma LabsはTechCrunchの取材に対し、ユーザーの写真を処理するためにAWSのクラウドサービスを利用していると述べている。ユーザーの写真にAIモデルが学習されると同時に、その画像は直ちに削除されるとのことで、画像の流出という点では、心配はないようだ。
ただし、画像生成AI自体が芸術家のコミュニティでは、イラストレーターが収入に影響が出ることと、ニューラルネットワークに供給するために自分の作品が盗まれる可能性の両方を心配し、Dall-E 2のようなアプリは物議を醸している点は注目に値するだろう。ユーザーはAIジェネレーターを使って、同意も支払いもなく、特定のアーティストのスタイルを模倣した画像を製作することが出来てしまうのだ。こうしたAIの学習に対して懸念をお持ちの場合は、Lensa AIの利用は控えた方が賢明かも知れない。
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