AMD Radeon RX 7700XTに搭載のNavi 33 GPUについての詳細リーク – 6nm 8GB GDDR6でTGP200Wと高効率な模様

masapoco
投稿日 2022年4月9日 5:01
AMD Radeon RX 7000 RDNA 3 Navi 31 Navi 32 Navi 33 GPUs Graphics Cards1

AMDが2022年秋にも発売すると見られている次期グラフィックボード「Radeon RTX 7700XT」。これに搭載されるRDNA3アーキテクチャに基づくNavi33 GPUの最新の情報が、リークで有名なYouTuber「Moore’s Law Is Dead」の最新動画で解説されている。

この記事の要点
  • ミッドレンジGPU「Navi 33」は、RDNA 2の「Navi 21」をRDNA 3アーキテクチャで最適化した物
  • Navi 33はInfinity Cacheを搭載するが、搭載される7700XTは、6900XTに比べてメモリが削減されているため消費電力が低い
  • 性能面ではレイトレーシングでは6900XTを上回り、NVIDIAのAda Lovelaceチップよりも高効率
  • メモリ削減の影響で1440pを超える解像度ではパフォーマンスの低下が見られると思われる

ミッドレンジGPU「Navi 33」を搭載するAMD Radeon RX 7700 TXはNVIDIAを効率の面で圧倒

AMD RDNA 3 GPUのラインナップは、モノリシックソリューションとマルチチップレットソリューションの両方で構成されるという。今回解説されている「Navi 33」はミッドレンジチップとなり、RDNA 2アーキテクチャで作られた「Navi 21」を、より新しいRDNA 3アーキテクチャで最適化した物と見られる。

6nmと微細化したことにより、Navi 21に比べてダイサイズが11~30%削減されている。特徴としては以下の通りだ。

  • TSMC 6nmプロセスノード(モノリシックGPU設計)
  • RDNA 3グラフィックコア(クロック/効率の向上)
  • 128bitバスに最適化された8GB GDDR6メモリ
  • RX 6900 XTと同等以上のラスタライズ性能
  • RX6900XTよりも優れたレイトレーシング性能

GPUは単一のダイで構成されているモノリシックな設計となっている。

AMD Navi33 GPU アーキテクチャの設計についての噂

Navi 33 GCD(Graphics Compute Die)は、2つのShader Engineを搭載し、各Shader Engineは2つのShader Array(SEあたり2つ/合計4つ)を搭載すると予想されている。各Shader Arrayは、5つのWGP(SEあたり10個/合計20個)で構成され、各WGPには32個のALUを持つSIMD32ユニットが8個(SAあたり40SIMD32/SEあたり80/合計160)搭載されると以前から予想されていた。これらのSIMD32ユニットを組み合わせて5120コアを構成し、これはRX 6900 XT(Navi 21 XTX GPU)と同じコア数である。

しかし、新しい数字に基づくと、RDNA 3 Navi 33 GPUは、合計16 WGPまたは4096コアを搭載することになる。これが、チップ自体の特定の構成が更新されたのか、それとも新しいRadeon RX 7000カードが、各Shader Arrayで1WGPを無効にしたNavi 33チップのカットダウン構成を採用するのかは、不明だ。RDNA 3は、RDNA 2とは全く違った新しい設計になっており、そのことが影響しているのかもしれない。

Navi 33は、実質的にGFX11アーキテクチャ上のNavi 23の代替となるもので、Navi 23は2048コアしか備えていないことが分かっており、Navi 33に搭載されるとされるコア数の半分となっている。Navi 23 GPUはRadeon RX 6600シリーズに搭載されているので、AMDがNavi 31をRX 7900シリーズ、Navi 32をRX 7800シリーズ、Navi 33をRX 7700シリーズと、1段上のラインアップに移行させようと考えていなければ、Navi 33がAMDのRX 7600シリーズのラインアップに採用されると想定される。RX 7600シリーズ以下のラインナップは、リフレッシュされた6nm RDNA 2 GPUをベースにすることになる。

AMD Navi 33 GPUの価格やパフォーマンスの噂

Navi 33(RDNA 3)は、128~256MBのInfinity Cacheを搭載する見込みだ。また、GPUは2つのメモリコネクトリンク(32-bit)を搭載することになる。128-bitのバスインターフェイスに対して、32-bitのメモリコントローラは合計4個となる。6900 XTに比べてメモリが半分になったため、消費電力も低くなる。また、AMDは全体的にコストを削減することができるため、現地価格で400ドルから500ドル程度の売価と見られている。

性能面では、Navi 33 GPUをベースにしたAMD Radeon RX 7700 XTは、レイトレーシングでは6900 XTクラス以上の性能を発揮すると思われるが、メモリを削減した設計を考えると、解像度が上がるとパフォーマンスにかげりが見える。そのため、1080p前後ではより高速に、1440pでは同程度になるが、4K以上では8GB VRAMの制限により、結局は同等かより低速になるという。レイトレーシング性能は、6900 XT以上になる物と見られている。8GBは6900 XTに対してダウングレードのようにも思えるが、価格を考えると、実際には、コストを削減するだけでなく、GDDR6の供給を心配せずにカードを大量に製造することができるメリットもある。

これにより、AMD Radeon RX 7600シリーズの性能は、TDPが200W前後(180~230W)でRX 6800シリーズやRX 6900シリーズを超えることになる。また、PCIeインターフェースがx8リンクとともにGen5.0であるという話もあるが、Gen4とGen3のx8リンクで十分な帯域をカードに供給できるので、どちらにしても問題はなさそうだ。効率性についてAMDのRDNA 3の大きなメリットの一つとなり、NVIDIAのGeForce RTX 40「Ada Lovelace」ラインアップを大きくリードするものと見られる。

AMD Navi 31およびNavi 32の外観?

Moore’s Law is Deadは、Radeon RX7000シリーズが液冷を搭載するように見える最初の画像も公開している。これは、Navi 31及びNavi 32を搭載するハイエンドのボードとのことだ。これによると、デュアルスロットデザインと120mmクーラーを搭載した液冷を備えたデュアル8ピンのデザインとのことだ。



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