Apple Watch Proは、日本時間の9月8日(木)の午前2時から開催されるAppleの「Far out」イベントで正式に発表されると見られている、これまでにない新しいApple Watchだ。
その、Apple Watch Proについて、リークから様々な仕様が明らかになるに連れて分かった事は、これはiPhoneやMacBookに設定されているProのように、一般のユーザーにとっても使い勝手の良い物ではなく、どうやらかなりとがった製品であり、そしてユーザーを選ぶ製品になりそうだということだ。
本日、Apple Watch ProのCAD画像がリークされた。BloombergのMark Gurman氏もこれについて、その信憑性を伝えている。
この画像を見て分かることは、想像以上に大きなそのサイズだ。既存のApple Watch Series 7でも45mmサイズはかなり大きく、身体の大きな男性に最適なサイズ感だが、新しいApple Watch Proは47mmと言う事で、更に一回り大きくなる。
さらに、特徴的なのはデジタルクラウンの誤作動防止のためと思われる、ケースの隆起だ。これにより、ケース自体も従来のApple Watchシリーズよりも横幅の比率が大きくなり、更にそのサイズ感を強調する結果となっている。そして、これまでのApple Watchにはなかった大きなボタンが1つ追加されている。
このサイズはより大きなディスプレイを搭載したため以外にも、数日もつと言われる、より大きなバッテリーのためを搭載するためと考えられる。これにより、Apple Watch Proはこれまで多くあった、「バッテリーがもたない」という不満の声に応える形になるだろう。また、大きなディスプレイは、更に多くの情報の表示と、操作性の向上を約束してくれるはずだ。
だが、それは「さらに大きくなるサイズ」というトレードオフによってもたらされる。
筆者は現在Apple Watch Series 7の45mmサイズを使っている。身体は割と大きい方だと思う(身長180cm)が、これでもこれ以上Apple Watchが大きくなると普段使いでは気になるなと感じる。
だが、そもそも、Apple Watch Proの存在が噂されだした当初のことを思い返してみれば、これは「エクストリーム・スポーツ」向けに設計された物である事からも、Apple自身、普段使いはあまり考慮していないのかも知れない。そして、Appleはそこに新たな市場を見出し、開拓しようと考えているのではないだろうか。
大きなスクリーンに、大きな新たなボタン、頑丈な筐体、そして数日と言われるバッテリー。これらは全てエクストリームスポーツでの用途を対象として開発された物だろう。そのため、やはりAppleが1番に訴求したいターゲットは、そういったエクストリームスポーツに取り組むユーザー、また、まさに「プロ」のスポーツ選手そのものだろう。
iPhoneの場合、「Pro」バージョンを選ぶと、カメラの画質が良くなること、処理能力がアップすること、そしてディスプレイは最高の物で、ボディの仕上げも高級感があると言うことで、一般のユーザーにとって、日常的に活用できる機能が大きく強化され、大きな利点があった。そういった点で、このApple Watch Proは、Appleにとって、より「プロ向け」の製品となる可能性がある。まだ、正式な発表もない状態では憶測でしかないが、事前に聞かれている機能を見る限りその可能性は高いのではないだろうか。
ただ、Apple自身がそこを明確にするかどうかでまた話は変わってくるだろう。熱心なAppleユーザーで、「常に最高のApple製品を」求める者にとっては、やはりその機能がほとんど使わないとしても魅力的である事には違いない。
また、Apple Watch Proは、バッテリーもちがかなり良く、一度の充電で数日使えるようになると言われており、そこに利点を見出すユーザーなら、購入も選択肢の1つになるだろう。ただし、そのために3倍近い支出を受け入れられるのならば、だ。
いずれにせよ、この謎に包まれたデバイスの存在はついに9月8日午前2時からのイベントで明らかになる。筆者は恐らく買わない(買えない)だろうが、新たなデバイスの登場はやはり何よりも楽しみだ。
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