Appleの新しいiPhone 15 Pro Maxの分解動画がiFixitによって公開された。丁寧な分解とパーツの解説を交えた動画では、このデバイスの強力なA17 Proチップ、待望の光学5倍ズームレンズ、光速モデムチップの詳細が明らかになっている。
最初にデバイスのガラスパネルを外し内部に進む必要があるが、このデバイスでは背面ガラスの修理性を向上させるため、フレームが刷新されていることがわかる。背面ガラスを簡単に取り外すことができるようになった事が、Appleが修理費用を大幅に引き下げた理由である可能性もありそうだ。
iPhone15 Pro Maxのバッテリー容量は4,422mAh、17.1Whで、iPhone14 Pro Maxと比べて容量がおよそ2.3%増加している事が確認出来る。
これに加えて、iPhone 15 Pro Maxの分解動画では、光学5倍ズームが可能な新しいカメラシステムが明らかになっている。アップグレードされた望遠レンズには、テトラプリズムシステムが採用されているのがわかる。これらのアップグレードを除けば、超広角レンズはiPhone 14 Pro Maxと同じように見える。これはまた、新しいiPhone 15 Pro Maxに追加されたアップグレードは、新しいA17 Proチップによって処理されることを意味する。
内部に関しては、iFixitはロジックボードにはんだ付けされたA17 Proも明らかにしている。iPhone 15 Pro Maxのロジックボードは、iPhone 15 Proのものとほぼ同じようだ。さらにAppleは、デバイスの接続性に関して様々な改善を行った。このデバイスはWiFi 6Eに対応しており、互換性のあるルーターで使用できる。モデムに関しては、iPhone 15 Pro Maxは、iPhone 14 Proモデルと比較してより高速な5G速度を提供できるQualcomm製のX70モデムを搭載しているようだ。
パーツの交換自体は難易度が下がっているが、iFixitは修理可能性については低い評価を下している。
Appleは2013年にTouch IDを追加することで、iPhoneのハードウェアを特定のデバイスIDにロックし始めた。iPhone Xのリリースによって、交換できない部品の数は膨れ上がり、その傾向は年々進んでいる。iPhone15シリーズは、これまでで最もロックの進んだiPhoneとなっている。iFixitの徹底的なハードウェアテストによると、Appleは生体認証、ディスプレイ、バッテリー、リアカメラ、自撮りカメラ、ワイヤレス充電アセンブリ、リアライダーアセンブリに「パーツペアリング」を採用している。
場合によっては、これらのパーツを未承認の代替品と交換しても、システム・ソフトウェアに警告が表示され、使いづらくなる。更に、場合によってはパーツ交換は機能自体を無効にするようにも働くようだ。例えば、ディスプレイを交換すると、True Toneと自動輝度が無効になる。LiDARモジュールを交換すると、カメラアプリはほとんど即座にクラッシュする。未承認のワイヤレス充電コイルを私用すると、iPhoneは数分ごとに再起動するようになる。「DRMが私たちの生活のあらゆる部分を感染させるような、SF作家が私たちに警告したディストピア的な未来がやってくる?我々はその中で生きている」とiFixitは言う。
ただし、以前噂になったような、Appleが人為的にUSB-Cポートの機能を純正部品向けに制限するというような事態は起きないことが判明した。内部にはUSB 3.2 Gen 2コントローラーが搭載されており、10Gbpsの転送速度をサポートしている。また、このポートは幸いにもハードウェアリンクされていない。そのため、万が一ポートが破損した場合でも自身で交換が可能だ。
iPhone15ファミリーの修理可能スコアは、暫定的に4/10とされている。これは、遡及修正後の昨年のiPhoneと同じだ。当初は7/10だったが、iFixitはAppleが部品のペアリングを使い続けていることを踏まえ、それを引き下げた。iPhoneはこれまで以上に分解しやすくなったかもしれないが、すべてのハードウェアをApple経由で購入しなければならないのでは、あまり意味がないだろう。
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