Intelが2022年後半に発売を予定している次世代CPU「Raptor Lake-S」と、「Sapphire Rapids」に関して、発売日を含む新たな情報が報じられている。
IntelのHEDT向け「Sapphire Rapids」 Xeon W-3400 & W-2400 CPUは 2022年第4四半期に、第13世代「Raptor Lake-S」CPUは2022年10月発売か
Intelが2022年の発売に向けて、HEDTとメインストリーム向けの新型デスクトップCPUに取り組んでいることは、周知の事実だろう。Intel HEDTのラインナップは、Xeon W-3400およびXeon W-2400シリーズSKUとしてブランド化される新しいSapphire Rapidsチップで構成され、メインストリームラインナップは、第13世代Raptor Lake-S チップで構成される予定である。
Intel HEDTのラインナップは、コードネーム「Fishhawk Falls」と呼ばれるW790プラットフォームに対応し、メインストリームHEDTからプレミアムHEDTパーツまで、さまざまなチップに対応する予定とされる。一方、第13世代Raptor LakeデスクトップCPUは、既存の600シリーズマザーボードと互換性を保ちつつ、新しい700シリーズボードプラットフォームに対応するのが特徴だ。
HEDT向け「Intel Sapphire Rapids」デスクトップCPU
Intel Sapphire Rapidsファミリーは、メインストリームクラスHEDTが最大24コア、プレミアムクラスHEDTが最大56コアで構成されると言われている。これらのチップは、すべて単一の「Golden Coveコアアーキテクチャ」を採用し、メインストリームのデスクトップSKUのようにPコアとEコアのハイブリッド処理は行われない。メインストリーム・ファミリーは、プレミアム・ファミリーと比較して、DDR5メモリ・チャネル数、PCIeレーン数、およびIOが少なくなることが予想される。
- Sapphire Rapidsのプレミアムクラスで期待される機能
- 最大56コア/112スレッド
- LGA 4677ソケットサポート(デュアルソケットマザーボードの可能性あり)
- PCIe 5.0×112レーン
- 8チャンネルDDR5メモリ(最大4 TB)
- Sapphire Rapidsのメインストリームクラスで期待される機能
- 最大24コア/48スレッド
- 最大5.2GHzのブーストクロック
- 最大4.6GHz全コアブースト
- LGA4677ソケットのサポート
- PCIe 5.0×64レーン
- 4チャンネルDDR5メモリ(最大512 GB)
噂では、IntelがSapphire Rapids HEDTファミリーの発売を第4四半期に延期し、10月に発売される可能性が高いとしている。どちらのCPUセグメントも、W790を搭載した新プラットフォームに対応するのが特徴だ。
Intel HEDTプロセッサーファミリー
SAPPHIRE RAPIDS-X? (SAPPHIRE RAPIDS EXPERT) | ALDER LAKE-X? (SAPPHIRE RAPIDS MAINSTREAM) | CASCADE LAKE-X | SKYLAKE-X | SKYLAKE-X | SKYLAKE-X | BROADWELL-E | HASWELL-E | IVY BRIDGE-E | SANDY BRIDGE-E | GULFTOWN | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プロセスノード | 10nm ESF | 10nm ESF | 14nm ++ | 14nm以上 | 14nm以上 | 14nm以上 | 14nm | 22nm | 22nm | 32nm | 32nm |
フラッグシップSKU | 確認中 | 確認中 | Core i9-10980XE | Xeon W-3175X | コアi9-9980XE | Core i9-7980XE | Core i7-6950X | Core i7-5960X | Core i7-4960X | Core i7-3960X | コアi7-980X |
最大コア/スレッド | 56/112? | 24/48 | 18/36 | 28/56 | 18/36 | 18/36 | 10/20 | 8/16 | 6/12 | 6/12 | 6/12 |
クロック速度 | 〜4.5 GHz | 〜5.0 GHz | 3.00 / 4.80 GHz | 3.10 / 4.30 GHz | 3.00 / 4.50 GHz | 2.60 / 4.20 GHz | 3.00 / 3.50 GHz | 3.00 / 3.50 GHz | 3.60 / 4.00 GHz | 3.30 / 3.90 GHz | 3.33 / 3,60 GHz |
最大キャッシュ | 105 MB L3 | 45 MB L3 | 24.75 MB L3 | 38.5 MB L3 | 24.75 MB L3 | 24.75 MB L3 | 25 MB L3 | 20 MB L3 | 15 MB L3 | 15 MB L3 | 12 MB L3 |
最大PCI-Expressレーン(CPU) | PCIe 5.0 112レーン | PCIe 5.0 65レーン | PCIe 3.0 44レーン | PCIe 3.0 44レーン | PCIe 3.0 44レーン | PCIe 3.0 44レーン | PCIe 3.0 40レーン | PCIe 3.0 40レーン | PCIe 3.0 40レーン | PCIe 2.0 40レーン | PCIe 2.0 32レーン |
チップセットの互換性 | W790? | W790? | X299 | C612E | X299 | X299 | X99チップセット | X99チップセット | X79チップセット | X79チップセット | X58チップセット |
ソケット | LGA 4677? | LGA 4677? | LGA 2066 | LGA 3647 | LGA 2066 | LGA 2066 | LGA 2011-3 | LGA 2011-3 | LGA 2011 | LGA 2011 | LGA 1366 |
対応メモリ | DDR5-4800? | DDR5-5200? | DDR4-2933 | DDR4-2666 | DDR4-2800 | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2133 | DDR3-1866 | DDR3-1600 | DDR3-1066 |
最大TDP | 〜500W | 〜400W | 165W | 255W | 165W | 165W | 140W | 140W | 130W | 130W | 130W |
発売 | 2022年第4四半期? | 2022年第4四半期? | 2019年第4四半期 | 2018年第4四半期 | 2018年第4四半期 | 2017年第3四半期 | 2016年第2四半期 | 2014年第3四半期 | 2013年第3四半期 | 2011年第4四半期 | 2010年第1四半期 |
発売価格 | 確認中 | 確認中 | 138,000円 | 50万円 | 238,000円 | 238,000円 | 198,000円 | 128,000円 | 128,000円 | 118,000円 | 118,000円 |
メインストリーム向け「Raptor Lake」CPUファミリー
第13世代Intel Raptor Lake-SデスクトップCPUは、第12世代Alder Lakeと同じく「Intel 7」プロセスノードのハイブリッド設計を採用する。Pコア(高性能コア)は新しい「Raptor Coveアーキテクチャ」にアップグレードされ、Eコア(高効率コア)はキャッシュが若干改善される一方、全体のコア数も増加するという。最大コア数は、24コア32スレッド(Pコア8個+Eコア16個)であることがリークされている。TDPは従来品と同程度で、クロックは噂通り最大5.8GHzに達する見込みだ。また、キャッシュも大幅に強化されると見られる。
- 第13世代「Raptor Lake」デスクトップCPUで期待される機能
- 最大24コア/ 32スレッド
- 全く新しいRaptor Coveコアアーキテクチャ(より高性能なPコア)
- 10nm ESF(Enhanced Super Fin)の「Intel7」プロセスノード
- 既存のLGA1700マザーボードをサポート
- デュアルチャネルDDR5-5600メモリのサポート
- PCIe 5.0×20レーン
- 強化されたオーバークロック機能
- 125W PL1 TDP(フラグシップSKU)
プラットフォームについて、IntelのRaptor Lake-SデスクトップCPUは、DDR5とDDR4の両方のメモリをサポートしており、AMDのDDR5のみのAM5プラットフォームに対して大きなアドバンテージを持つことになる。また、600シリーズ(Z690/H670/B650 & H610)のマザーボードと、新しい700シリーズのチップセット(Z790/H770/B760)で互換性を確保できるのもIntelのメリットとなる。Z790および第13世代Raptor LakeデスクトップCPUは、Z790マザーボードとともに、HEDT CPUのラインナップと同時期の10月に発売される予定だ。
メインストリームのH770とB760チップセットは2023年第1四半期までに発売されるが、H610はエントリー向けのPCセグメントに継承されるため、H710は生産されないという。新しい700シリーズマザーボードは、DDR4サポートを搭載すると噂されており、新しいラインナップにはPCIe 5.0 M.2スロットがあり、M.2およびdGPU用にPCIe 5.0をサポートするAMDのAM5プラットフォームと競合する。
AMD RaphaelとIntel Raptor LakeデスクトップCPUの比較(噂に基づく)
CPUファミリー | AMD Raphael (RPL-X) | Intel Raptor Lake(RPL-S) |
---|---|---|
プロセスノード | TSMC 5nm | Intel 7 |
アーキテクチャ | Zen 4(チップレット) | Raptor Cove(Pコア) Gracemont(Eコア) |
コア/スレッド | 最大16コア/32スレッド | 最大24コア/32スレッド |
合計L3キャッシュ | 64 MB | 36 MB |
合計L2キャッシュ | 16 MB | 32 MB |
トータルキャッシュ | 80 MB | 68 MB |
最大クロック周波数 | 〜5.8 GHz? | 〜5.8 GHz? |
メモリサポート | DDR5 | DDR5 / DDR4 |
メモリチャネル | 2チャンネル(2DPC) | 2チャンネル(2DPC) |
最大メモリ速度 | DDR5-5600 | DDR5-5600 DDR4-3200 |
プラットフォームサポート | 600シリーズ(X670E / X670 / B650 / A620) | 600シリーズ(Z690 / H670 / B650 / H610) 700シリーズ(Z790 / H770 / B760) |
PCI Express 5.0 | GPUとM.2の両方(Extremeチップセットのみ) | GPUとM.2の両方(700シリーズのみ) |
統合グラフィックス | AMD RDNA 2 | Intel Iris Xe |
ソケット | AM5(LGA 1718) | LGA 1700/1800 |
TDP(最大) | 170W(TDP) 230W(PPT) | 125W(PL1) 240W +(PL2) |
発売 | 2022年秋 | 2022後半 |
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