インドのテック系メディア『Digit』は、Intel CEOのPat Gelsinger氏に、Intelが過去数年間に逃したと思う機会は何かとインタビューを行っている。Gelsinger氏はこの質問に率直に答え、Intelの決断が今日のテクノロジー分野でライバル企業に競争上の優位性を与えたと感じる点を概説した。
Gelsinger氏は、Intelが本来であれば地位を確立し、活用することができたであろう潜在的な競争上の優位性を最小限にとどめた3つの重要な分野–モバイル開発、ファウンドリーサービス、AI技術–を指摘した。
Gelsinger氏によれば、Intelがモバイル技術開発に資本投下できなかったことは、Qualcomm、Samsung、Armといったライバル企業の成功の一因となった根本的な過ちだという。Gelsinger氏の指摘は、IntelがかつてのモバイルチップラインであるBroxtonとSoFIAの中止を決定したことだろう。
同氏は、もうひとつの機会損失としてファウンドリー事業について言及した。同社は、事業と統合デバイス製造(IDM 2.0)戦略をサポートするため、製造能力の拡大を積極的に進めてきた。なぜファウンドリー事業がIntelの地位低下の一因となったのか、具体的な説明はなかったが、このコメントは、ここ数年間、ファウンドリー事業をグローバルに拡大するために、時間、資金、リソースを大幅に投資してきたことを指していると思われる。
AIセグメントは、間違いなくIntelにとって最も悔やまれる分野だろう。今日のAI市場はNVIDIAが独占しており、同社の市場シェアを80%から95%と推定するアナリストもいる。しかし、AMDはついにAI競争に参入し、GoogleやAmazonを含む他のテック大手に混じって、NVIDIAの支配に挑むべく動き出している。しかし、現在のところ、AIの王者であるNVIDIAを追い落とすだけの能力や技術を持つ企業はない。
IntelのGPU技術への投資は、同社をAI競争への再参入に近づける可能性がある。しかしGelsinger氏は、Intelが2010年にLarrabeeグラフィックス・アーキテクチャなどの技術から撤退したことが、AI競争への出遅れに大きく貢献した可能性が高いと述べた。廃止されたグラフィックス・プログラムを追求すれば、Intelが人工知能のリーダーとしてより良いポジションを確立するための数年にわたる研究、開発、成長を実現できたはずだ。
すでに終わってしまったことを取り消すことはできない。その代わり、Gelsinger氏は過ちを認め、そこから学び、それを活かして会社とその製品のより成功した新たな道を描こうとしている。
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