Bloombergの報道によると、Huaweiと中国の大手半導体メーカーであるSMICは、マルチパターニングによる5nm生産に取り組んでいるとのことだ。これがもし実現すれば、中国企業は、欧米から近代的な生産設備を手に入れられなくても、近代的なチップを製造し続けることができるようになるかも知れない。
提出された特許は、self-aligned quadruple patterning (SAQP)、すなわち、マルチプル・スペーサー・アプローチによるダブル・パターニングを2回、したがって最終的には4回使用するプロセスについて説明している。
SAQPでは、いわゆるスペーサーを使用する。スペーサーは、既存の構造上に側壁として構築される。成膜と異方性エッチングのシーケンスにより、2つの新しい構造が作られる。プロセス条件、特に蒸着層の厚さを最適化することで、元の線密度を2倍にすることができ、より小さな構造が可能になる。トランジスタ構造は、元のリソグラフィーのライン間隔の半分で形成できる。
HuaweiとSMICが説明しているのは、最適化されたフォトレジストと特定の酸プロファイルを使用するマルチスペーサー・アプローチだろう。理論的には、ピッチ分解能を8分の1にすることが可能で、40nmが5nmになる。このアプローチを繰り返せば、16分の1も可能だ。
しかし、このようなマルチパターニングを実際に実施するのは容易ではない。歩留まりを許容レベルにコントロールすることが最大の課題であり、多くのメーカーがマルチパターニング・プロセスで失敗している。各露光にはそれぞれリスクがあり、マルチパターニングではこのリスクも数倍になる。さらに、マルチプル・パターニング・プロセス自体も、可能な限り理想的に調和させる必要がある。
しかし、現状では、中国が独自のEUVシステムを持つまでは、先端チップを製造するための唯一の方法DUV+マルチパターニングしか道がないのだ。
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