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オーストラリアを拠点とする人気グラフィックデザインプラットフォーム「Canva」は、ブログ記事のアイデアから送付状の文言まで生成できるテキスト生成ツール「Magic Write」を発表した。これは、同日発表されたVisual Worksuiteの一部である「Canva Docs」に組み込まれた機能の一部として提供される。

AIによる画像生成機能は、既にCanvaに搭載されていた。Canvaは、最近発表されたテキストから画像へのAIアートをシームレスに統合するビジュアルデザインツール「Microsoft Designer」(現在はベータ版)の発売前にCanva Docsの新しいMagic Write機能によって、さらにMicrosoftの進出を阻み、その領域に踏み込もうとしているようだ。

AIによるテキスト生成は、少しずつ広告作製のためのツールとなっている。AIはコピーライティングの分野に静かに浸透しており、アイデアの提案、実際のコンテンツの執筆、言い換え、校正などが行われている。Webベースのビジュアルデザイン会社であるCanvaが、クリエイターがオーディエンスをターゲットにするためのツールとしてMagic Writeを追加したのは、むしろ当然だろう。専属のアーティストと同じように、専属のコピーライターが活躍する場はまだある。しかし、「素早く、簡単な」テキストには、AIが介入してくる。

Magic Writeは、オープンソースのGPT-3アルゴリズムを使用して、文書だけでなくプロジェクトでもテキストを動的にその場で生成する機能だ。Generative Pre-trained Transformer 3(GPT-3)は、OpenAIによって設計されたAIモデルで、他の多くのアプリやサービスの基盤となっているものだ。GPT-3はもともとテキストモデルとして誕生し、何十億もの単語間の関係を理解するもので、Magic Writeは本質的にその原点に立ち返ったものだ。

Canva Magic Write 3
Canva Magic Writeは、システムに入力するプロンプトに対する簡単な答えを提供する。(Credit: Canva)

CanvaはMagic Writeを、大量のコピーを書くのではなく、AIによってアイデアを生み出す、ライターの手助けをするためのツールと位置づけている。Canva Docsは、Canvaサービスのメインページ、「ホワイトボード」アイコンの横にある。実際のドキュメントを起動したら、ドキュメント自体の中にある「+」アイコンをクリックし、「Magic Write」オプションを選択することができる。

Canva Magic Write は、システムに入力できるプロンプトに対して簡単な回答を提供する。(Credit: Canva)

例えば、「サッカーワールドカップに関するブログの話題を5つ挙げて」と入力すると、Magic Writeは「ワールドカップ開催がその国にどのような利益をもたらすか」「サッカーファンでない人がワールドカップをフォローする方法」といった話題を提案してくれる。

ただ、Canvaにとって残念なことに、既にOpenAIが更に優れたものを出してしまっており、それに比べるとこのMagic Writeは単体ではどうしても見劣りしてしまう。

OpenAIはMagic Writeの中核となるGPT-3アルゴリズムを設計したが、OpenAIが先週発表して大きく話題となっているChatGPTはその代わりに、より洗練されたGPT 3.5アルゴリズムを使っている。両者は対照的で、少なくともCanvaのデモでは、Magic Writeは回答が端的だ。比較して、ChatGPTはより洗練されたものを提供してくれる。

ただし、Magic WriteはまだCanvaがそう呼ぶように、ベータ版である。同社は、コミュニティとともにこの機能を構築しようとしているようだ。

考えてみれば既に文書作成を手助けする機能は、Google WorkspaceのDocsとMicrosoft Wordの両方が、文法やスペルを修正し、タイピングや作文をスピードアップするための機能を搭載している。Outlookも、宛先となるフレーズや同僚、文書を提案してくれる。しかし、GoogleもMicrosoftも、CanvaやChatGPTのような方法でAIを使用しているわけではない。この分野にAIが進出してくるのは必然だったのだろう。

MicrosoftはGPT-3のライセンスを保有しており、他の外部ライセンシーでは唯一と伝えられている。MicrosoftはChatGPTのようなテキスト生成を導入していないものの、AIを使ってテキストプロンプトから実際にコードを生成するGitHub Copilot.を発表している

世界的な流れを見れば、MicrosoftがWord内にChatGPTのバージョンを実装する可能性も大いに考えられる。Microsoftはすでに、Azureクラウドを介してDesignerを稼働させている。Microsoftがいつ、どのようにAIによるテキスト生成を実装するかは、「するのかどうか」ではなく、「どのように導入するか」が問題になってくるだろう。

AIアートはわずか6ヶ月前に始まったばかりだが驚くべき進化を続けている。この分野の流れは想像以上に速く、既にAdobeはAIで生成した作品をストックアートとして受け入れている。2023年初頭にはGPT-4の登場も噂されており、AIテキストの分野も更なる発展が予想される。

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