Bloombergは、Googleが米国で進行中の反トラスト法裁判について、なるべく注目を集める事のないように努めてきたが、本日の審理中に、意図せずに長年にわたるAppleとの秘密の検索契約に関する重要な情報が暴露されてしまった事を報じている。
Googleの検索ビジネスを調査する司法省の独占審理中、同社の経済専門家であるシカゴ大学のKevin Murphy教授氏が、GoogleがAppleのSafariブラウザから得た検索広告収入の36%をAppleに支払っていることを誤って明らかにしてしまったとのことだ。
Bloomberg Lawによると、Murphy氏が機密情報を明らかにしたとき、Googleの弁護士John Schmidtlein氏は「見ているだけで痛々しい」程に、その表情を変えたとのことである。Googleは裁判の間、一般市民や記者を法廷から追い出そうとさえしたそうだ。Googleは当初、この情報を秘密にする必要があると主張していた。なぜなら、それが公開されると「Googleの競争上の立場を競合他社および他の対応者に対して不当に損なう」からである。
司法省は、Googleが競合他社を排除し、検索ユーザーを自社のサービスに固定し、検索業界における支配的な地位を維持するために、デフォルト検索契約に多額の支払いをしていると主張している。この支配的な地位は、先にMicrosoftのCEOであるSatya Nadellaが証言したように、GoogleのAIによる進歩によってさらに強化される可能性がある。
9月には、Appleの幹部が証言し、GoogleとAppleの間のデフォルト契約が非常に有利であるため、Appleが独自のライバル検索エンジンを作成することさえ阻止されたと述べている。
GoogleのSafariからの検索広告収入がどれだけの金額になるのかはまだ明確ではないが、いくつかの推定が行われている。Statistaによると、Googleの広告収入は2022年に2240億ドルであり、それに基づいてEngadgetは、AppleがGoogleのSafariのデフォルト配置に対して数十億ドルを受け取っている可能性が高いと推定している。
以前、The New York Timesの情報筋によると、Googleは2021年にこの契約のためにAppleに約180億ドルを支払ったとされているが、収益分配の正確な額はこれまで不明であった。司法省の裁判でも最近、Googleがデフォルト契約に合計260億ドルを支払ったことが明らかになった。これらの契約は、現在急速に増加しているGoogleの検索広告収入を押し上げる主な要因とされている。Statistaによると、Googleのグローバル広告収入は2027年までに約3400億ドルに達すると予測されており、これは主にGoogleの検索エンジントラフィックによるもので、現在「グローバル広告収入の約38%」を占めている。
Googleはもともと、2002年にAppleのSafariブラウザのデフォルト検索プロバイダーとなる契約を結んでおり、それ以来AppleがSafariブラウザをiPhone、iPadと拡張するにつれ、Googleの検索ウィンドウも拡張されてきた。
司法省は、2023年9月に始まった現在進行中の裁判で、この合意をGoogleに対する主な論拠としている。これは、”Googleが検索エンジンと検索広告市場に対する支配を違法に維持している”証拠だという。
司法省がこれらのデフォルト契約によってGoogleが一般的な検索市場において違法な独占を維持していることを証明すれば、Googleは検索ビジネスを分割するよう命じられる可能性がある。これは、Googleの財務状況だけでなく、Appleなどのパートナーにも影響を与えるであろう。
Appleは今回のニュースについてまだコメントしていない。Googleは当然のことながらコメントを控えている。
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