Googleは、ChatGPTの出現により大きな危機感を抱いた後にAIを全社的に導入する事を推進した。5月にはSearch Labsを通じて、現在の検索画面に生成AIによる様々な支援を行うことを試験的に導入したが、これは当時米国のユーザー向けの物で、その他の国での展開は行われなかった。だがGoogleはついに、この試験的な機能である「生成 AIによる検索体験 (Search Generative Experience: SGE)」を日本とインドで展開することを発表した。
SGEは、MicrosoftのBing AIに対するGoogleならではの回答であり、これまでのWebページの単純なリストを表示するではなく、入力プロンプトに対して検索結果が要約され、キュレーションされた回答を提供するように設計されている。GoogleのシステムがMicrosoftのものと異なるのは、AIを別のチャットボット・アシスタントとして実行するのではなく、既存の検索バーに直接組み込んでいる点だ。この機能は、Search Labsから登録することで利用することが可能だ。
例えば、「プロジェクターを綺麗に映す方法」と検索すると、以下のようにWebページから抽出した結果を要約して表示してくれるようになった。
生成AIによる出力結果は一番上に表示され、フォローアップで追加での質問例がいくつか表示され、ユーザーが目的の答えに辿り着きやすいように工夫されている。
入力には音声も利用する事が可能で、話しかけて気軽に質問することが可能だ。
これらの発表と同時に、SGEはAIの回答で提供される情報の裏付けとなるWebページを発見し、訪問しやすくするための新機能を導入する。ユーザーはAIを活用した概要の情報の横に新しい矢印のアイコンが表示され、クリックすると関連するWebページを見ることができる。これにより、ユーザーはAIの情報源を直接訪れ、質問の答えについてさらに詳しく知ることができる。これはまず米国で展開され、その後数週間でインドと日本にも導入される予定だ。
Googleは、SGEの開始以来、この機能が若いユーザーの間でより人気があることがわかったと述べている。同社によると、最も満足度が高いのは18歳から24歳のユーザーで、彼らはより会話的な方法で質問をするのが好きだという。
Googleはまた、人々はフォローアップの質問ができることを好み、より長く、より会話的な質問をフルセンテンスでするようになったと述べている。これは、ユーザーが単にいくつかのキーワードを入力してクエリを開始する従来のGoogle検索とは異なる体験だ。
さらに、人々は統合された広告を便利だと感じていると主張しているが、クリックスルー率に関するデータは提供していない。
SGEにアクセスするには、AndroidとiOSではGoogleアプリのSearch Labsセクションに、デスクトップではChromeから可能だ。
Sources
- Google Japan Blog: 生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介
コメントを残す