Microsoft(マイクロソフト)傘下のGitHubは、コードエディタ内で開発者に開発中のコードに関するアドバイスを提案することが出来るAI支援ツール「Copilot」を本日リリースした。これに先だって、GitHubはOpenAIと提携してCopilotのプレビューを昨年から行っていたが、ついに本日から正式にすべての開発者が一般的に利用できるようになったわけだ。
月額10ドル、年間100ドルのGitHub Copilotは、Visual Studio Code、Neovim、JetBrains IDEなどの統合開発環境(IDE)で開発者が入力したコードに対して、次の行に何を書くべきか提案してくれるという。Copilot は、定型的なコードやユニットテストの支援に加え、完全なメソッドや複雑なアルゴリズムを提案することができるのだ。
過去12カ月間で120万人以上の開発者がGitHub Copilotプレビューの使用にサインアップし、検証済みの学生や人気のあるオープンソースプロジェクトのメンテナには、今後も無料のツールとして提供される予定だ。GitHubによると、Copilotが有効なファイルでは、現在コードの40%近くがCopilotによって書かれているという。
「GitHub Copilotにより、ソフトウェアの歴史上初めて、開発者がコードを書き、完成させるためにAIを広く活用することができるようになりました。コンパイラやオープンソースの台頭と同様に、AIによるコーディング支援はソフトウェア開発のあり方を根本的に変え、開発者がより簡単かつ迅速にコードを書くための新しいツールを提供し、より幸せな生活を送ることができるようになると考えています。」と、 GitHub CEO Thomas Dohmke氏はプレスリリースの中で述べている。
Microsoftは、Elon Musk(イーロン・マスク)氏も出資する研究会社OpenAIに10億ドルを投資し、GitHub Copilotの誕生につながった。Copilotは、OpenAIの代表的な言語生成アルゴリズムであるGPT-3の子孫であるOpenAI Codexをベースに構築されている。ただ、GitHub Copilotは物議を醸している。プレビュー公開からわずか数日後、CopilotがGitHubに投稿された一般公開されたコードで学習することの合法性をめぐる質問があった。著作権の問題もさることながら、ある研究では、Copilotの出力の約40パーセントにセキュリティ上の脆弱性が含まれていることも判明している。
コーディングを支援する自動化AIツールの開発に取り組んでいるのは、Microsoftだけではない。昨年、Google(グーグル)傘下のDeepMindは、「競争力のあるレベル」でコンピュータープログラムを書くために設計されたAlphaCodeというAIシステムを公開した。AlphaCodeは、競争力のあるコーディングプラットフォームであるCodeforcesに対してテストされ、人間のコーダーの上位54パーセント以内に入る「推定ランク」を達成した。この課題は、通常のコーダーが直面するものとは異なるが、AIコーディングシステムが将来的にコーダーを支援する可能性があることを実証している。
GitHub Copilotは、本日よりすべての開発者を対象に、60日間の無料トライアルが提供されている。GitHubは今年後半にCopilotを企業向けに提供する予定だ。
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