オールインワンのフィンテックアプリであるRevolutが、”2021年”の年次報告書を発表した。2021年は1年以上前に終了しているが、このレポートによって、2020年から2021年にかけて、同社の売上高が約3倍になった事が明らかになった。そして、この爆発的な成長により、同社が初めて黒字化を達成した事も合わせて明らかになった。
Revolutは2021年末、顧客数は1,600万人を超え、2020年と比較して46%増となったとのことだ。
Revolutの主力商品は、送金・保有・受取のための口座と決済カードが組み合わされたものである。Revolutは、本国である英国ではまだ銀行免許を取得していないが、現在、リトアニアでは完全な銀行免許を取得している。
この免許は、パスポート制度により欧州経済領域内で使用できるため、Revolutは欧州の銀行とみなされる可能性がある。これらの基本的な銀行機能に加えて、同社は大量のフィンテック製品を提供している。
まず、全体の数字は以下の通りだ。
- 2021年、Revolutの収益は6億3600万ポンド(1,040億円)であるのに対し、2020年は2億2000万ポンド(360億円)だった。
- 2021年のRevolutの純利益は2600万ポンド(42億円)であるのに対し、2020年は2億2300万ポンド(368億円)の純損失を計上した。
- 売上総利益率も2020年から2021年にかけて33%から70%に跳ね上がった。
Revolutの共同創業者兼CEOのNik Storonsky氏はリリースで、「私たちは初の通年黒字を達成し、規模に応じて顧客の成長を加速し、すべての製品ラインにわたって収益を拡大できることを示しました2021年、私たちは欧州中央銀行から完全な銀行免許を取得し、数百万人の新しいお客様を迎えました。また、いくつかの新商品を発売し、顧客ベースの活動がより活発になりました。」と、述べている。
全体として、Revolutは絶好調であると言える。それもあり、2021 年半ばに 330 億ドルの評価額で 8 億ドルの資金調達ラウンドに成功しているのだ。
暗号取引などの手数料で収益を上げる
Revolutの収益は複数のソースから得られている。顧客は無料でアカウントを作成できるが、一部の資金管理サービスを利用するには手数料を支払う必要がある。最も熱心な顧客は、一部の手数料を免除し、追加機能を利用するために、プレミアムサブスクリプションプランに支払うことを選択することもできる。
その上、Revolutはインターチェンジフィーから収益を得ている。Revolutのユーザーがカードで支払いをするたびに、加盟店はカード取引手数料を支払わなければならない。これらの手数料は、加盟店の銀行、カードスキーム(例えばVisaやMastercard)、カード発行銀行(この場合はRevolut)の間で分配される。Revolutが受け取るのは取引額のごく一部だが、何百万人もの顧客がいる場合は、それが積み重なることになる。
収益は大きく3つの柱に分けることができる。
- カードとインターチェンジは、総収入の23%(1億4900万ポンド)。
- サブスクリプションは総収入の17%(1億700万ポンド)。
- 外国為替およびウェルスサービスは、総収入の55%(3億4900万ポンド)を占めている。
最初の項目は非常にわかりやすいが、最後の項目はかなり多くのRevolutのサービスが含まれている。Revolutは、マルチカレンシーカードと組み合わせたシームレスな外国為替アプリとしてスタートした。Revolutは、無料ユーザーの場合、一定の限度額以上の為替手数料を少なくとも0.5%徴収する。誰でも(有料ユーザーも含む)、週末に両替するときや、珍しい通貨を両替するときは、さらに手数料がかかる。
Revolutでは、暗号通貨、株式、金や銀などの商品も取引できる。これらの金融商品について、Revolutは暗号取引で1.49%から1.99%、貴金属取引で0.5%から1.5%という、いくつかの大きな手数料を徴収している。
2021年は暗号ブームで暗号取引が急増し、個人投資家の株式への関心も再び高まった特別な年だった。
2022年は2021年ほどドラマチックには見えないかもしれないが、Revolutはすでに昨年の数字のショートプレビューを共有している。2022年、同社の収益は再び増加し、8億5000万ポンドを超えている。2021年の189%増に比べれば、はるかに低い30%増だ。それでも、多くの大規模スタートアップにとって、30%の収益増は満足できる数字だろう。そして、Revolutの顧客数は現在2,700万人に達している。
Revolutの最高財務責任者であるMikko Salovaara氏はCNBCに、Revolutは「非常に近いうちに」英国の銀行免許を取得したいと考えていると述べている。最終的にいつライセンスを取得するのかについて質問され、年内に取得する可能性があることを示唆した。
Revolutの2022年通年の業績はまだ開示されていないが、1つだけはっきりしているのは、同社の暗号ビジネスが急激に悪化したことだ。Salovaara氏によると、2021年には暗号が売上高のおよそ3分の1を占めていたが、2022年にはこれが5%から10%に低下したという。
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