ダイヤモンドは自然界で最も硬い物質であると同時に、最も高価な宝石の1つとして人々の憧れの的だ。
今年初め、サザビーズで「Enigma」と名付けられた555.55カラットのブラックダイヤモンドがオークションにかけられ、5億円で落札された。これは当時、暗号通貨の入札が可能な数少ないアイテムの1つでもあり大きな話題となった。今回見つかったという、過去300年で最大級というピンクダイヤモンドも、高値を呼ぶことだろう。
この度、アンゴラの鉱山労働者は過去300年間に発見された物の中でも最大となる巨大なピンクダイヤモンドを発見したとのことだ。このピンクダイヤモンドは推定170カラットで、世界最大のピンクダイヤモンドである182カラットのダルヤーイェ・ヌール(現在イランの国宝に指定されている)より少し小さいが、それでも巨大である事には変わりない。
アンゴラのルーロ鉱山と他の鉱山を所有するルカパ・ダイヤモンド社の発表によると、このダイヤモンドはアンゴラ北東部にあるルーロ鉱山にちなんで「Lulo Rose:ルーロ・ローズ」と名づけられた。
ダイヤモンド採掘では、砂利の中や川底の砂の中から宝石を見つける。しかし、10.8カラット以上のダイヤモンドは100個に1個しか採れず、170カラットのダイヤモンドを見つけるのは極めて困難を伴う。
さらに通常、色の付いたダイヤモンドは1万個に1個しかないと、同社のStephen Wetherall社長はCNNに語っており、今回の発見は極めて稀なことだ。そして過去3世紀のうちに地球上で発掘された最大のピンクダイヤモンドだと主張している。
アンゴラの鉱物資源・石油・ガス大臣であるDiamantino Azevedo氏は、「ルロで発見されたこの記録的で素晴らしいピンクダイヤモンドは、アンゴラが世界のダイヤモンド採掘の舞台で重要な役割を果たしていることを示すとともに、成長するダイヤモンド鉱業への取り組みと投資がもたらす可能性と報酬を示しています」と述べている。
このダイヤモンドは、アフリカのアンゴラ共和国ルンダ・ノルテ地域のルロ沖積ダイヤモンド鉱山で発見された。米国宝石学会によると、アンゴラの鉱山はダイヤモンドの生産量トップ10に入る。
ルカパ・ダイヤモンド・カンパニーは、アフリカ地域にアンゴラのルロとレソトのモサエの2つの資産を保有している。このアフリカの2つの拠点は、ダイヤモンド原石のカラットあたりの価格が最も高い場所の一つだ。
また、ルロ鉱山は国営のダイヤモンド鉱山会社であるエンディアマ社だけでなく、アンゴラの民間鉱山会社が共同所有している。そのため、このダイヤモンドの売却は、国営ダイヤモンド会社であるSodiam E.P.が実施する国際入札を通じて行われる予定だ。
しかし、ダイヤモンドは、その真価を発揮するためにカットと研磨が必要で、その結果、原石ダイヤモンドは50%程度サイズが小さくなる可能性があるとAFP通信は報じている。
香港のオークションで落札された59.6カラットのピンクダイヤモンド「ピンクスター」は7,120万ドル(当時84億円)で落札されており、これは現在まで、ダイヤモンドとして史上最高値での取引となっているが、ピンクスターは原石が132カラットであった。ルロ・ローズはこれを上回る可能性もありそうだ。
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