ストレージのデータ復旧専門業者であるSecure Data Recoveryは、長年の実績の中で蓄積したデータから、故障したハードディスク・ドライブの平均的な寿命が約2年10カ月であることを突き止め、そのデータを共有している。
この数値は、データ復旧専門業者が顧客から預かった多数の故障したハードディスクの平均動作時間から算出したものだ。予測不可能な事象で故障したドライブは除外し、通常の読み書きの操作で故障したドライブのみを残した。対象となったハードディスクは、Western Digital、Hitachi、Seagate、Toshiba、Samsung、Maxtorの6メーカーの製品となる。
Secure Data Recoveryは、故障したハードドライブの平均期待寿命が、ドライブメーカーに大きく依存することも明らかにした。同社が作成した電源投入時間チャートによると、最も性能の良いブランドと悪いブランドの間では、電源投入時間にほぼ50%の差があることが判明した。
データでは、東芝が最も良い結果を示し、151台の不良ドライブで平均34,799時間の電源投入時間が記録されたという。逆に、WDの傘下となった日立(現・HGST)は、211台の不良ドライブから記録された平均寿命が18,632時間であり、はるかに悪いものだった。
他のドライブメーカー4社の結果は、東芝と日立の中間に位置し、Western Digitalは936台のディスクから平均25,676時間の電源投入時間の結果となった。Seagateは559台のドライブで32,298時間を記録した。Samsungは123台のドライブで19,224時間、Maxtorは27台のドライブで29,771時間を記録している。
Secure Data Recoveryは、各ドライブの不良セクタの数も記録した。ここでも日立が圧倒的に悪く、同じ211台のドライブで3,348個の不良セクタが検出された。しかし、このカテゴリーで最も性能の良いドライブはMaxtorのもので、検出された不良セクタは、わずか228個だった。残りの6つのメーカーは日立ほど悪くなく、東芝が合計1,884、Samsungが529、Seagateが2,671、Western Digitalが628の不良セクタを記録している。
ただし、そもそも修理対象となったドライブの数に大きなバラツキがあること、ドライブメーカー間で電源投入時間や不良セクタに大きなばらつきがあるため、この結果を額面通りに受け取ることは出来ないだろう。Secure Data Recoverが6つのメーカーの故障したドライブを均等に分配していれば、この結果ははるかに正確なものとなる。
そのため、日立、東芝、サムスン、特にMaxtorのディスク数が少ないため、実際のデータは異なる可能性もある。一方、SeageateとWDは、最も多くのドライブを記録しているため、その数値は最も正確なものとなるだろう。しかし、全体的に見ると、日立とSeagateが最も信頼性の低いメーカーである可能性は高そうだ。
また、Secure Data Recoveryは、2015年以降、ドライブは高面積化し、垂直磁気記録やSMR(Shingled Magnetic Recording)など記録方式が複雑化していること、読み書きヘッドも複雑化しており、複雑化することで故障の可能性が高まっている可能性も指摘している。
「一般的に、古いドライブは新しいドライブよりも耐久性と回復力があるように見えます。CMR(従来型磁気記録)搭載のディスクはSMR搭載のディスクよりも耐久性と回復力があるように見えます」と、Secure Data Recoveryは述べている。
これら6つのメーカーのHDDをお持ちの場合、故障しやすいドライブであれば、平均寿命は3年弱と言われている。しかし、その間にドライブが死ななければ、何年も何年も健康な状態を維持できる可能性が高いだろう。HDDの信頼性についてもっと知りたい方は、Backblazeの過去のレポートも参考になると思われる。
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