9月8日に開催されたイベント 「Far Out」で、Appleは次期iPhone 14のラインナップとかねてから噂されていたApple Watch Ultraと一緒に、新しいAirPods Proを発表した。第2世代のAirPods Proは、9月23日に発売となる。前モデルから「最大2倍のノイズキャンセリング機能を実現」としており、新たにスワイプベースのコントロールと他の多くの機能ももたらしている。
現在、AirPodsの公式ラインナップは、第2世代AirPods、第3世代AirPods、第2世代AirPods Pro、AirPods Maxというモデルで構成されていることになる。
第2世代のAirPods Proは、前モデルに比べて多くの改良が施されているが、果たしてその価格に見合うものだろうか?さまざまな価格帯のAirPodsがある中で、この質問に答えるのは難しい。そこで今回は、AirPodsの各モデルを比較し、どれが一番自分に合っているかを判断できるようにした。
2022年 AirPods ラインナップ比較
仕様 | AirPods Pro (第 2 世代) | AirPods Pro (第 1 世代) | AirPods (第 2 世代) | AirPods (第 3 世代) | AirPods Max |
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アクティブノイズキャンセリング | 搭載 | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
外音取り込み機能 | 搭載 | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
コネクティビティ | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
イヤホンのサイズ (mm) | 30.9×21.8×24 | 30.9×21.8×24 | 40.5×16.5×18.0 | 30.8×18.3×19.2 | 187.3×168.6×83.4 |
ケースサイズ(mm) | 45.2×60.6×21.7 | 45.2×60.6×21.7 | 53.5×44.3×21.3 | 46.4×54.4×21.4 | 134.5 |
イヤホン重量 (グラム) | 5.3 | 5.4 | 4 | 4.28 | 384.8 |
ケース重量(グラム) | 50.8 | 45.6 | 38.2 | 37.91 | 134.5 |
バッテリー(イヤホン) | 最大6時間 | 最大4.5時間 | 5時間まで | 最大6時間 | 最大20時間 |
バッテリー(ケース) | 30時間まで | 24時間以上 | 24時間以上 | 30時間まで | なし |
防水イヤホン | IPX4 | IPX4 | 非対応 | IPX4 | 非対応 |
防水充電ケース | IPX4 | IPX4 | 非対応 | IPX4 | 非対応 |
有線充電 | Lightningコネクタで対応 | Lightningコネクタで対応 | Lightningコネクタで対応 | Lightningコネクタで対応 | Lightningコネクタで対応 |
ワイヤレス充電 | Qi 認定または MagSafe 充電器経由 | Qi 認定または MagSafe 充電器経由 | 非対応 | Qi 認定または MagSafe 充電器経由 | 非対応 |
付属の充電ケーブル | LightningからUSB-Cへ | LightningからUSB-Cへ | LightningからUSB-Aへ | LightningからUSB-Cへ | LightningからUSB-Cへ |
カスタムチップ | Apple H2 | Apple H1 | Apple H1 | Apple H1 | Apple H1 |
価格 | 39,800円 | 39,800円 | 19,800円 | 27,800円 | 84,800円 |
デザイン
AirPods Maxを除き、Appleの現行ラインアップのAirPodsはすべてインイヤータイプの完全ワイヤレスイヤホン(TWS)だ。第2世代のAirPodsと比較すると、第3世代とAirPods Proの両世代はステムが短く、若干重く、幅が広くなっている。装着感は、AirPods Pro(第1,第2世代共に)が快適性は高いという評価が多い。また、AirPods Proにはさまざまなサイズの交換可能なシリコン製イヤーチップが付属しているが、第2世代のAirPods Proだけ更にXSサイズが付属し4種類のイヤーチップが付属している。また、激しい運動中にイヤフォンを使用する場合は、第2世代のAirPodsとAirPods Maxは汗や水への耐性を備えていないため、避けた方が賢明だ。
プラスチック製のAirPodsとは対照的に、AirPods Maxはステンレス製のイヤーカップと曲線的なメッシュのヘッドバンドを備えた大型のオーバーイヤーヘッドフォンだ。そのため、当然ながらラインアップの中で最も重く、最も大きなものとなっている。カラーバリエーションも増え、イヤフォンはホワイトのみですが、マックスはシルバー、スペースグレイ、ブルー、ピンク、グリーンの5色から選べる。
充電ケース(MagSafe、Lightningなど)
Appleは、イヤホンと一緒に、標準的なLightningケーブルで充電する有線充電ケースと、Lightningでも充電できるMagSafe対応モデルの2つのケースを販売している。MagSafe充電ケースは、いずれもAppleのMagSafe技術に対応し、他のQi対応ワイヤレス充電器にも対応している。
しかし、Appleは第2世代のAirPodsは有線での充電のみ対応のLightning充電ケースが付属している。また、AppleのLighting充電ケースは、AirPodsラインナップの他の充電ケースとは異なり、汗や水への耐性がない。一方、第3世代のAirPodsは、充電ケースを、MagSafe対応と非対応のLightning充電ケースのどちらにするかを選べる。ただし、後者の場合は耐水・耐汗性がないため注意が必要だ。
AirPods Proには、旧モデルも新モデルもMagSafe充電ケースが付属しているが、新型のケースは先代や第3世代のAirPodsとは異なり、スピーカーを内蔵し、探す機能をサポートしているので、なくした場合により探しやすくなっている。また、Appleはループを内蔵し、ケースをストラップに取り付けることができるようにした。
AirPods Maxに関しては、独自のスマートケースが付属しており、ヘッドホンを待機状態にすることでバッテリー寿命を保つように設計されている。また、防水仕様ではない。
ノイズキャンセリング、空間オーディオ、その他の機能
音質に関して言えば、AppleのAirPodsは、まだ販売していない第2世代のAirPods Proを除いて、総じて素晴らしいものだ。
ノイズキャンセリング機能については、AirPods MaxかAirPods Proのいずれかに搭載されている。アクティブノイズキャンセリングにより、周囲の騒音を遮断して、より集中して音楽を楽しめるようにする。さらに、音楽やその他のオーディオコンテンツを聴きながら周囲の音を聞くことができる、便利な外音取り込み機能も提供する。
ただし、両者が異なるのはチップだ。AirPods Maxと、第1世代のAirPods Proを含むAppleのAirPodsラインアップの大部分は、AppleのH1チップを搭載している。第2世代のAirPods ProのみがAppleの新しいH2チップを搭載している。その結果、第2世代のAirPods Proは、より優れた音響効果とともに、環境中の厳しいノイズを軽減するのに役立つ改良された適応型環境音除去を提供する。Appleはまた、新しいAirPods Proは第1世代のAirPods Proに比べて最大で2倍のノイズをキャンセルできると述べている。
エントリーモデルのAirPodsを除き、AirPodsの各ペアは、すべてのAppleデバイスでダイナミックヘッドトラッキングによるパーソナライズされた空間オーディオサポートをサポートする。加えて、AirPodsの最新モデルは、同機能を持たない第2世代モデルよりも、より没入感のある、劇場のような音質体験を提供することができるとしている。また、AirPods Maxを除くすべてのモデルには、クリアなサウンドを提供し、バッテリー駆動時間を長くするカスタムハイダイナミックレンジアンプが搭載されている。
第2世代のAirPods、第1世代のAirPods Pro、AirPods Maxは、耳に装着した状態を検知するデュアル光学センサーを備えているが、第3世代のAirPodsと第2世代のAirPods Proでは、より進化した皮膚検知センサーを使用して、AirPodsが耳に入っているかどうかをより正確に判断し、ポケット内で誤作動したりすることを防いでくれる。
マイク
すべてのAirPodsは、それぞれのイヤーカップに2つのビームフォーミングマイクを搭載しており、外部のノイズを低減し、快適に通話する機能が備えられている。しかし、他のイヤホンとは異なり、第2世代のAirPodsには内向きのマイクがないため、耳の中の音を軽減することはできない。一方、AirPods Maxは、アクティブノイズキャンセリング用の8つのマイクと音声ピックアップ用の3つのマイクの合計9つのマイクを搭載している。
バッテリー駆動時間
AirPods Maxは、当然のことながら、その大きなサイズに大容量のバッテリーを搭載しており、バッテリー持続時間は桁違いに長い。Appleによると、アクティブノイズキャンセリングまたは外音取込モードをオンにした場合、1回の充電で最大20時間の利用が出来る。空間オーディオを有効にした場合、AirPods Maxは1回の充電で最大20時間のビデオ再生が可能だ。さらにAppleは、わずか5分の充電で約1.5時間分のバッテリー充電が出来るとしている。
ただし、価格とバッテリー持続時間は必ずしも伴わず、第3世代のAirPodsよりも高価であるにもかかわらず、第2世代のAirPods Proはほぼ同じバッテリー持続時間となる。ちなみに、第1世代のAirPods Proはさらに少ない。Appleによると、第3世代AirPodsと第2世代AirPods Proのどちらも、リスニング時間は最大6時間、付属の充電ケースを使用すると最大30時間だ。空間オーディオとヘッドトラッキングをオンにすると、第3世代AirPodsが最大5時間の使用が可能であるのに対し、新しいAirPods Proは最大5時間使用が可能とのことだ。
一方、初代AirPods Proは、アクティブノイズキャンセリングをオンにして最大4.5時間、オフにして5時間、付属の充電ケースで最大24時間の使用時間だった。ただし、いずれの3モデルも5分間充電した場合、1時間程度の使用時間を確保することができるとのことだ。
第2世代のAirPodsは、ラインナップの中で最もバッテリー駆動時間が短い。Appleは、旧型のAirPodsは1回の充電で最大5時間、付属の充電ケースを使用すれば24時間以上の使用が可能としている。
コントロール
第2世代のAirPods Proは、Appleのイヤホンとして初めて、スワイプによる操作を可能にした。軸部分を上下にスワイプすることで音量を調整することができるのだ。しかし、先代やインイヤー型AirPodsと同様、他の設定は依然として触覚ボタンで行われる。例えば、第3世代のAirPodsと両世代のAirPods Proでは、一時停止、再生、通話に応答するために軸を握って操作する。ただし、どのAirPodsモデルを購入しても、シンプルなボイスコマンドでSiriを起動できるようになっている。
一方、オーバーイヤー型のAirPods Maxは物理的なコントロールが可能だ。各ペアには、Apple Watchの文字盤よりも大きなデジタルクラウンと、アクティブノイズキャンセリングモードと外音取込モードを交互に切り替えるのに使えるセカンダリボタンが備わっている。しかし、電源ボタンはありません。頭に乗せると自動で電源が入るようになっている。
互換性(と接続性)
どのAirPodsを購入しても、さまざまなAppleデバイスを自動的に切り替えて使うことができる。これは、Apple製品の優れた点だ。また、すべてのAirPodsは、最新のiPhone、iPad、Apple Watch、Macと互換性がある。ただし、第2世代のAirPodsは、iPhone 6や第2世代iPad Miniなど、古いデバイスにも対応している。
価格
各AirPodsモデルの最も明白な違いは、価格だ。19,800円の第二世代AirPodsは、Amazonのような小売業者では定期的にセールで安く販売している。一方、第3世代のAirPodsは、どれを買うかによって価格が異なる。AppleはLightning充電ケース付きのバージョンを26,800円で販売しており、MagSafe充電ケース付きのモデルは27,800円となっている。こちらも定期的にAmazonなどで安く販売されているので、その時が買い時かも知れない。
AirPods Proは第1世代は39,800円だが、Amazonなどでは33,000円程度で安く売られていることがある。第2世代AirPods Proはまだ販売前なので、これからしばらくは39,800円からはあまり価格が動かないだろう。
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