Alibaba、Baidu、ByteDance、Tencentは最近、生成AIの研究開発に用いるための大量のGPU発注をNVIDIAに行った事が、Financial Timesの報道により明らかになった。
Financial Times)によると、中国企業はNVIDIAが米国による輸出規制を回避するために意図的に性能を落としたA800プロセッサを10万ユニット、10億ドル相当で発注したという。各企業は、今年末までに米国のチップメーカーからこの出荷を受け取る予定だ。さらに各社は、2024年に納品されるプロセッサーのために、累計40億ドルの追加発注も行っているという。
この問題を直接知る2人の従業員によると、ByteDance社はその野望を支えるために、少なくとも1万個のNVIDIA GPUをすでに備蓄していたという。また、同社は来年納品予定のA800チップを7万個近く発注しており、これは約7億ドル相当であると付け加えた。
A800プロセッサは、データセンターで使用されているA100プロセッサよりも性能が劣るものだ。そして、NVIDIAの最新のプロセッサであるH100プロセッサよりも大幅に性能が劣る物であることは注目に値する。米国政府が発表した輸出規制により、NVIDIAはA800プロセッサを中国企業にしか販売できない。
米国の輸出規制では、NVIDIAはチップ間転送速度が600GBps以下のプロセッサーの販売を許可されており、A800プロセッサーは除外されている。
さらなる規制の脅威とGPUに対する圧倒的な需要により、中国企業はAIニーズを満たすハードウェアを確保するためにGPUの在庫を積み増している。
生成AIの進歩に後押しされたGPU需要の高まりにより、専門家は2020年のようなGPU不足が再び起こるのではないかと懸念している。
現在、GPUの需要には限りがあり、NVIDIAが1日または1ヶ月に生産できるGPUの数に制約されている。あるNVIDIAの代理店は、A800プロセッサーの価格が「代理店の手元で50%以上上昇した」と指摘している。
AI分野に参入する企業が増えるにつれ、大規模な言語モデル(LLM)を実行するために必要なハードウェアを確保しようと奔走する企業が増え、Nvidiaへの大量発注が増えるかもしれない。
NVIDIAはこの報道について、以下のように声明を述べている:
消費者向けインターネット企業やクラウド・プロバイダーは、データセンター・コンポーネントに毎年数十億ドルを投資しており、多くの場合、何カ月も前に発注しています。
なお、この件について上記の中国企業はコメントしていない。
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