先日、1リットルのペットボトル飲料水の中に何十万個もの「ナノプラスチック」粒子が含まれている事が、新たな研究から明らかになった。この10億分の1メートル単位という非常に小さな粒子は、その小ささから、人間の細胞に容易に入り込む可能性があり、それが引き起こす道の影響について科学者たちは警鐘を鳴らしている。
マイクロプラスチックよりもかなり小さいナノプラスチックは、「血液に入り込み、さまざまな障壁を越えて細胞に入り込むことができる」と、論文の共著者であるコロンビア大学のBeizhan Yan氏は語っている。
この驚愕の事実を受け、数多くのメディアがこれを報じたが、業界団体はこの結果に強く反発しており、“我々がナノプラスチックを摂取するのは全く問題なく、コロンビアチームの研究は恐怖を煽るものに過ぎない”との主張を展開している。
「飲料水に含まれるこれらの粒子に関するメディアの報道は、消費者を不必要に怖がらせる以上のものではありません」と、国際ボトルウォーター協会(International Bottled Water Association: IBWA)は声明で述べている。
「ナノ・マイクロプラスチック粒子の潜在的な健康への影響については、標準化された方法がなく、科学的なコンセンサスもない」とし、同協会は消費者にこの調査結果を受け、不必要に怖がる必要はないとしている。
ボトル入り飲料水メーカーを代表する団体が、最新の調査結果に反発する動きは予想されたものだ。
同協会は、世界保健機関(WHO)が、現在の“最小限の科学的研究”からは、マイクロ・及びナノプラスチックの食事曝露への悪影響は報告されていないと述べており、加えて、米国食品医薬品局(FDA)が、“ナノ・マイクロプラスチック粒子が健康リスクをもたらすことを示唆する科学的証拠はないため”、食品や飲料に含まれるこれらの物質に関する規制を発表していない点を挙げ、“健全な科学に基づく必要がある”と、消費者に対し危険は(まだ)確認されていないとしている。
人の健康に危険があると断定するには証拠が少なすぎるからといって、人の健康に危険がないということにはならない。更なる研究が必要という点は評価出来るだろう。
だが、彼らの主張の中で触れられている、“ナノ・マイクロプラスチック粒子は、土壌、空気、水など、私たちの環境のあらゆる側面に含まれている”という部分は、“だからこそペットボトル飲料水だけが悪いのではない”と言う主張にも聞こえるが、そもそものこうした微小プラスチック生成の原因となるペットボトルの利用を控えるべきと言う点は忘れてはならない。
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