ドイツの自動車メーカーBMWは、同社の中東支社が公開した短いビデオクリップの中で、未来の可能性を切り開く4輪のオール電気自動車「Dune Taxi(デューン・タクシー)」を公開した。
BMWの「デューン・タクシー」
動画では、EVそのものの詳細はほとんど分からないが、動画内でボディにはカーボンファイバーに似た植物由来の素材「Natural Fibre Reinforced Polymer」が使われていること、536馬力を発揮することなどが語られている。
そして、映像の中盤でDune Taxiは、『X6Mコンペティション』とドリフト競演を果たす。
映像では、ラリーレーサーのAbdo Feghaliが運転するDune TaxiとRed Bull Driftbrothers X6が1対1で対決し、BMWのテクノロジーを披露しています。その後、電動4WDのX6に抜かれ、次のターゲットである砂丘「タル・モレブ」へと導かれていく。
傾斜50度の砂丘もDune Taxiには楽勝だ。このすさまじい登攀性能には思わず興奮することだろう。
しかし、BMW Blogの中で、中東支社のBMW広報担当者は、BMWが直ちにDune Taxiでオフロード・レースに乗り出す計画はないと述べている。むしろ、Dune Taxiそのものは、エンターテインメントだけを目的としたものだ。どちらかといえば、この映像はMカーの電動化で何が可能になるかを示すデモンストレーションとして使われる可能性がある。
なぜこのように後ろ向きな姿勢なのかというと、実はこのDune TaxiはBMWが制作した物ではないのだ。BMW Blogではこう述べられている。
確かに、このクルマは凄かったし、確かにかっこよく見えた。しかし、これはBMWのボディを使ったSpark Racing Technologyの電気レースカーであり、実際のBMWの製品ではありません。BMWには、EVデザートレーサーを作るためのバッテリー技術と電動パワートレイン技術があるのに、これは残念なことです。たとえSpark Racingと提携してシャーシを作り、BMWのバッテリーパックとパワートレインを搭載したとしても、少なくともBMWのエンジンが搭載されていたはずです。残念ながら、BMWのボディキットを装着したクールなレーシングカーに過ぎないのです。
Audiがオフロードラリーレースに参戦して、様々な技術を身につけていることを鑑みても、BMWは今後オフロードラリーレース用にこのようなものを作るべきとの意見も多い。実際にDune TaxiをBMW自身が形にしてくれることに期待したい物だ。
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