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Microsoft創業者のBill Gates氏主催のPodcast『Unconfuse Me』に、OpenAIのCEO Sam Altman氏が登場し、ChatGPTの登場による世界の変化と、AIの未来、そしてOpenAIの開発について語っている。

イノベーションとソーシャルグッドを声高に提唱してきたGates氏は、様々なトピックについて首尾一貫した魅力的なテキストを生成できるChatGPTの可能性について、賞賛をしているが、当初は疑問を抱いていたことを明らかにしている。「私はあなたの仕事が進化するのを見る機会に恵まれましたが、非常に懐疑的でした。ChatGPTがここまで良くなるとは思っていませんでした。度肝を抜かれました」と告白した。

Altman氏はAIモデルの開発に至った技術的な挑戦とブレークスルーを説明した。彼はChatGPTを支えるニューラルネットワークを人間の脳と比較し、AIシステムの内部構造についてさらなる洞察を得ることに楽観的な見方を示した。「ChatGPTの印象的な言語生成の背後にある符号化を理解する方法をまだ学んでいるところです」と彼は語った。

OpenAIの重要なマイルストーンを概説

Altman氏は今後5年間で、大規模なAIモデルがどのように機能するかについて、より深い理解が得られると期待していると述べた。この理解は、トレーニングの効率とAI技術の精度の両方を大幅に向上させ、コストにも好影響を与えるだろう。

Altman氏によれば、GPT-3でOpenAIはコストを40分の1に削減した。3.5では、現在10分の1だ。GPT-4にもコスト削減の可能性はあるが、旧モデルほどには進んでいない。

Altman氏は、コスト削減曲線は半導体で有名な「ムーアの法則」よりも「ずっと良い」と言い、最終的には、もっと小型で高性能なモデルで、インテリジェンスのコストをゼロにすることが可能になるだろうと期待している。

「私たちはその約束を本当に果たすつもりです」とAltman氏は言う。噂によると、OpenAIは現在、AIモデルの効率化に注力しているという。

Altman氏は、次世代AIモデルの重要な特徴として、音声、画像、動画をテキストと統合するマルチモーダリティについて言及した。また、AIシステムの推論能力、信頼性、カスタマイズ性、パーソナライゼーションを向上させる必要性を強調した。

AIの技術的側面に強い関心を示したGates氏は、AIで複雑な問題を解決するために必要な制御ロジックと計算リソースについてAltman氏に質問した。彼は、より高度な変換と適応コンピューティングが、より高いレベルのAI性能を達成するために必要かもしれないと示唆した。Altman氏はこれに同意し、「最低限、ある種の適応コンピューティングが必要だと思われます。それをはるかに超える洗練されたものが必要かもしれません」と述べている。

Altman氏はまた、OpenAIはロボット工学に戻るかもしれないとも言う。OpenAIは2021年夏にロボット工学の研究を中止している。

「ある時点で、言語理解と将来のビデオ理解によって、我々のモデルを使い、[…]よし、ロボットですごいことをしよう、と言えるようになるでしょう」とAltman氏は言う。

IAEAのような規制機関を提案

AIが世界情勢に与える潜在的な影響についても触れている。Altman氏は以前も提案したように、AIを規制する国際原子力機関(IAEA)のような機関の設立が必要だと述べている。Altman氏は、高度なAIシステムの社会的・地政学的な重大な影響に対処するための世界的な協力の必要性を強調した。

Gates氏は、AIが分極化などの問題に対処することで、民主主義の維持に積極的な役割を果たすというビジョンを語った。彼は、世界平和と社会的結束を育むAIの可能性を強調した。

MicrosoftとOpenAIは、ホワイトハウス、上院議員、世界のリーダーを含む主要な利害関係者とAI規制に関する議論を積極的に行っている。今回の2人の対談では、強力なAIシステムの規制に関する彼らの考えが明らかにされ、Altman氏は、テクノロジーが巨大な計算能力を持つシステムへと急速に進歩することへの期待を表明した。

Altman氏は、超強力なシステムは世界的な影響を及ぼす可能性があるため、それを監督する世界的な規制機関が必要だとの考えを示した。その解決策として、原子力規制との類似点を示しながら、国際原子力機関(IAEA)のようなモデルを提案している。同氏は、このアプローチがすべてのリスクを防止できるわけではないことを認めながらも、最も重大な脅威を軽減できると考えている。

Altman氏は、AIが雇用市場に急速な影響を与えると予想している

Gates氏は、AIが非常に優秀になり、人間の仕事を代替して社会秩序を崩壊させるシナリオについて懸念を表明した。Altman氏もこうした懸念を共有しているが、人類は適応し、”やりがいを見出す別の方法”を見つけるだろうと自信を示した。

「技術革新のスピードは毎回速くなっていますが、今回は群を抜いて速いでしょう。それは社会が適応しなければならないスピードであり、労働市場が変わるということです」とAltman氏言う。同氏は現在、プログラミング、医療、教育の分野でAIの応用の可能性が最も大きいと見ている。

Altman氏は、AI技術における競争の状況を「悩ましい、やる気が出る、楽しい」と表現し、OpenAIの重要なパートナーとしてのMicrosoftの役割を強調する。このパートナーシップは、OpenAIの研究と製品開発をサポートする上で非常に役立っている、とAltman氏は述べている。

また、Altman氏によれば、約500人の「小さな」スタッフを抱えるOpenAIが、競争相手に対抗できているのも、パートナーとしてのMicrosoftのおかげだという。

解雇と復職に伴う混乱にもかかわらず、チームはかつてないほど生産的で楽観的だったとAltman氏は言う。この対立は会社にとって成長の瞬間であり、さらに良くなろうという意欲を高め、これからの課題に備えているようだ。

ChatGPTよりSlack

Altman氏は雑談の中で最もよく使うスマートフォンのアプリについてを明かしたが、それは多くの人にとって意外だったかも知れない。Gates氏「では、あなたの携帯電話で最もよく使うアプリケーションは何ですか?」と尋ねると、Altman氏は「Slackです。ChatGPTと言いたいところですが……」と答えている。

Altman氏はOpenAIの調整作業に深く関わっていることで知られており、彼の日常生活の多くはSlackの多用によるものだという。対照的にGates氏は、自らを“オールドスタイルのEメール野郎”と表現するように、EメールはOutlookを、ニュースはブラウザを好んで使うことを明かした。Altman氏は、ブラウザの使用頻度の方が高いかもしれないが、それでもほとんどの時間をSlackに費やしていると思うと答えた。


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